韓国警察の驚異の対応
9月8日 9時半、豪華朝食のお陰で元気よく蔚山に向けて出発。国道31号線を北上。海岸沿いの景勝地では国道と並行して自転車道が整備されている。午後3時頃蔚山のゲストハウスに到着。
9月9日 手持ちのウオンがなくなってきた。大都市や有名観光地であれば両替屋があるが韓国の東海岸ではどこへ行っても両替屋はない。銀行でクレジットカードを使ってウオンを引き出そうと数件の銀行でトライするが上手くゆかない。韓一銀行で相談してみるとセブン・イレブンのATMなら引き出せるとの説明。セブン・イレブンで20万ウオンを引き出すべくATMを操作したらお金が出てこないのに取引完了のサインが出てきた。
前編“地中海遥かなり(第4回)”で紹介したようにATMの誤作動により現地通貨の引き出しができなかったのにカード会社に引き落とし請求が来る恐れがある。コンビニの店員に事情を説明するとATMを開けてウオン紙幣を機械に充当した。これでもう一度操作するように指示された。しかし結果は第一回と同様でお金は出てこずに取引終了。
店員は「取引は不成立であるのでお金は請求されないから安心して下さい」と説明しているようである。しかし不成立であったかどうかカード会社に電話して確認する必要がある。固定電話から日本のカード会社の無料電話窓口に電話するべく店員に電話を貸してほしいと頼むと「店には固定電話はなく自分の私物の携帯電話しかない」との回答。近所の店で固定電話を借りようとしたがあいにく休日で全く店が開いていない。
コンビニ店員に相談すると警察に相談するべきとのアドバイス。私が躊躇している間に店員は警察に電話して相談している。二分もしないうちにパトカーが到着。若い警官が下りてきて丁重に挨拶してからパトカーのドアを開ける。VIPに対する待遇のようでびっくりした。警察署に到着すると応接間のような部屋に通された。
英語の堪能な若い警官が来て事情を簡単に再確認。警察署長のような人物が現れ若い警官から報告を受けている。署長氏が頷くと若い警官が応接間の電話を使って日本のカード会社と連絡するように促してくれた。日本のカード会社で記録をチェックしたところ「何時何分のどこそこのATMの取引は無効」との回答を得て一安心。
私が二人にお礼を述べて帰ろうとバッグを持つと署長氏は「お茶と果物があるから休憩していってください」というようなことを言った。すぐにお茶と果物が出て来て署長氏と片言のハングルでおしゃべりをした。
帰りも署長氏が警察署の玄関まで見送ってくれ、先ほどの二人の若い警官がパトカーでコンビニまで送ってくれた。二人とも行動がきびきびしており私に対しては賓客待遇であり見事なまでに礼儀正しい。