ルワンダと日本との共通項とは?
今回の鉱業セミナーで私自身もプレゼンをする機会があったのでルワンダと日本の共通点について話をさせてもらった。ルワンダは小国だが、森林国の美しい景色を有する。森林地帯が多く農業の耕作面積は少なく奥地に行くと段々畑が続いている。日本にとってもわずか70年前の太平洋戦争の記憶が生々しいようにルワンダの大虐殺の悲劇はわずか21年前の出来事である。日本が戦後の飛躍的な経済成長を経験したように、ルワンダもこの20年間のGDPの伸びは平均7%から8%であり「アフリカの奇跡」といわれるほどの経済発展が続いている。
日本企業は遵法精神はあるが、欧米企業のようなフィクションを使って支配するような考えはない。JICAやJOGMECが技術支援を惜しまないように当社も融資買鉱を通じてレアメタルの増産に協力してゆく事を提案してゆきたい。セミナーではルワンダと日本の損益は一致しており同じ船に乗っている事を強調させてもらった。
資源不況の今こそ
日本企業はアフリカ資源を取り込むべきだ
2015年はもうすぐ終わり2016年が始まるが、資源不況が終わりレアメタル市況が上昇に転じるにはまだ数年はかかると予見している。
しかし、一方ではこれだけ資源価格が安くなったのは資源貧国日本にとってはチャンスではないか。中国は過去10年間アフリカ資源にも積極的な投資を行ってきた。最近ではその勢いが落ちてきたようにみえる。中国の国内景気が落ち込み、アフリカ向けの投融資も資源投資については暫くは見直しの動きさえ見える。
逆に日本企業は企業内の含み益がパンパンに膨れ上がっているが国内での投資案件を探すのは難しい状況に陥っている。アフリカの人口は10億人だが21世紀内には2倍にも3倍にもなるという予測もある。貿易立国であり技術立国を標榜するなら今こそ、日本企業が蛮勇を振るってアフリカ資源の開発に挑戦する時が来たと思っている。正にルワンダの夜明けに賭けたいと思うのだ。
次回の「ルワンダの夜明け」パート2では、「ルワンダ虐殺」の真実についてお伝えしたい。
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