「あかいろのものをたべると」
「あかいろうんちがでるのかな」
「きいろのものをたべると」
「きいろのうんちがでるのかな」…
「ちょっとおしりがいたい」
「ころころうんち」…
絵本を読み聞かせてもらいながら、子どもたちは嬉々としている。笑い転げたり、興味深く見入ったり、今朝のトイレを思い出したようにしたように考えこんでみたりと、なんとも微笑ましい光景だ。
風の谷幼稚園のオリジナル絵本「なないろうんち」。 大人たちが子どもの「排泄の自立」のために、一冊一冊手作りした
この冒頭の文章は風の谷幼稚園のオリジナル絵本「なないろうんち」の一節。この絵本は手書きの文字と切り絵で構成され、つくった大人たちの温かみが伝わってくる絵本だ。
この手作りの絵本があることからも伝わってくるように、風の谷幼稚園では子どもの排泄指導を重要視している。「排泄の自立」という概念を提唱し、これが大きな教育目標として掲げられているのだ。もちろん、これだけ重要視するのには理由がある。排泄が子どもの健康管理に大切であるという観点はもちろんだが、実はもっと奥深い教育意図が含まれているのである。
では、その教育意図とは何なのか?今回はその内容を見ていこう。
理性の力で本能をコントロールする
これが人間らしく育つということ
まず、「排泄の自立」とは何を意図しているのだろうか?