2024年4月25日(木)

風の谷幼稚園 3歳から心を育てる

2009年10月30日

■一人でトイレに行けるようになる
■トイレの始末ができるようなる
(ズボンの上げ下ろし、便器を汚さない仕方、トイレットペーパーの使い方、水の流し方)
■見通しを持ってトイレに行ける(出かける前にはおしっこをしておく)
■朝の排便を習慣化する(5歳のときには自分の意思で朝の排便を習慣化する)
■おねしょをしないようにする・・・

 具体的にはこれらの内容ができるようになることを指している。

 しかし、大切なのはこれらの結果のみならず、その根底を流れる考え方である。風の谷幼稚園では排泄行為を「人間が意志の力で自分の身体をコントロールできるようになる第一歩」と捉えており、生活マナー以上の意義を見出しているのだ。

 「たとえばおしっこの問題を考えてみると、したい時にしたい場所ですればいいものではなくて、してもいい時に指定された場所でできるようになることが大事です。特におしっこのタイミングが自分の意志の力でコントロールできるようになることは、社会生活上必要なことでしょう。しかし、これは見方を変えれば自分の意思で本能をコントロールしているということでもあります。おしっこに限った話ではありませんが、意思の力で本能をもコントロールしていける。だからこそ人間とはすばらしいものなのだと思います」(天野園長)

 つまり、排泄の指導を通じて、「意思の力で自分の本能をコントロールできる力」を幼児期にしっかりと身につけさせておく。これが「人間が人間になるための幼児期」に欠くべからざる教育と考えているのである。

3歳児からの排泄の習慣化
学ぶ力の発展段階に応じた指導

子ども用の洋式トイレ(写真内の風の谷幼稚園・横山先生は身長175センチメートル)

 では、この排泄の指導はどのように行われるのか?これは年齢に応じて指導内容が変わってくる。たとえば以下のような内容だ。

3歳児・・・「食べたらトイレに座る(洋式)」という
           指導で行動を定着させる
4歳児・・・「食べたらトイレに座る、出たらスッキリ
           するよ」ということを繰り返し語りかける
5歳児・・・好奇心にあわせて、「どういう体調の
          ときにはどういうウンチが出るか」など、
          排泄という行為を知的に理解させる

 「3歳児というのは、とにかく原則的な行動を定着させることが大切な時期です。そして、4歳の後半くらいになるとだんだん自分の体に対する自覚が生まれ、体と意識が連動し始めます。さらに5歳になると、自分で自分の生活をより良いものに変えていこうという意識が芽生え、ある面で『知的』になっていきます。この時期には子どもの好奇心にあわせて、『朝にウンチをした方が良い理由』『どうすれば朝、ウンチが出るか』などを知的に理解させるようにします」(天野園長)


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