WEDGE REPORT

2016年2月5日

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誰が甘い汁を吸うのか

 イランの海外凍結資産はなお2000億ドル(20兆円)は下らないと見られており、石油の増産とも相まってイランの経済復興ブームが今後もしばらく続く見通しだ。しかし経済専門家らによると、一般国民が制裁解除の恩恵を受けるようになるまでには少なくとも1年以上かかる、という。

 このため、イランの権力バランスは制裁が解除されてしばらくは、ロウハニ大統領ら改革派や現実主義者らに有利に傾くものの、制裁解除の効果を身近に感じられないとなると、国民の期待が一気に失望に変わる可能性もある。

 「失望は容易に批判に変わり、追い込まれているかに見えていた保守・強硬派がそこに乗じて揺り戻しに動く懸念が強い」(ベイルート筋)。ロウハニ大統領は、革命防衛隊など保守・強硬派のこうした動きとも戦わなければならず、石油価格の下落の中でいかに国民の生活を向上させていくかがカギとなる。

 専門家らによると、保守・強硬派が解除された資金の一部をすぐに入手することになるのは確実。復興がうまくいっても、いかなくても、どちらに転んでも同勢力が最終的には漁夫の利を得ることになる、という。

 1月にイランと断交したサウジアラビアなどスンニ派湾岸諸国は、イランが巨額の解除資金をシリアのアサド政権支援やイエメンを支配するシーア派のフーシ派に対する援助に活用するのは間違いないと見て、不信感と警戒感を強めている。

  
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