未婚女子はJPが好きというよりフランスや欧米社会に憧れているのだと分析。私がティンティンの話をしたら、「彼女がさえないスペイン人についていくという行動は理解できる。当世中国女子はとにかく欧米人なら誰でもOKなんだよ」と断言。JPの観察と分析によると今中国社会では海外移住熱が昂揚している。多少とも経済的に余裕があれば海外移住を目指す。特に先進国の欧米豪。「多少でも容姿に自信のある未婚女子は欧米男子になりふり構わずアプローチする。目的は欧米豪への移住だ。真実の愛がなくても構わないんだよ。本当に恐くなるよ」
さらにJPは続ける。「既婚女子でも美貌があれば積極的に誘ってくる。中国社会では美貌の若い女の子は金持ちや権力者と結婚する。それは美女の特権だよ。だけど愛のない結婚だから美女は旦那以外の男と浮気をする。それは美貌の既婚女性の特権だ。そして旦那も美貌の妻を持つことが社会的ステータスなので、妻の多少の浮気には寛大だ」
「バドミントンのサークルで知り合った美女の旦那は雲南省で最大の国営企業グループの経営者だ。彼女とすぐに深い仲になった。彼女の家のパーティーにも何回か呼ばれたよ。外国人をパーティーに招くのは彼らの虚栄心を満足させるためさ。他にも二人欧米の青年やバドミントンのコーチも招待されていたけど、彼らも彼女とは特別な関係だと直感したよ。旦那と二人だけで話した時に旦那は『君と妻の関係は知っているよ。上手くやってくれたまえ。それだけは君に伝えておくよ』と私に小さな声で脅すように言った。さらに驚いたのは小学生の一人息子に会った時のことだ。小学生だけど家庭教師から英語を習っているので英語を話せるんだ。挨拶したあとで『僕はお父さんと似ていないでしょ。お父さんの子供じゃないんだ。僕は不幸な子供です。僕の家族は“偽りの家族”(A fake family)です』と息子が言ったんだ。まったく一昔前のフランス小説の世界だよ」
私はJPの話を聞いて、やはり中国社会のキーワードは“福禄寿”であると確信した。
⇒第17回へ続く
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