“人が向き合うことでしか解決できない問題がある”
Q.現代社会においては、些細なことであれ何らかの危険性を擁することは事前に回避される傾向にあり、人と支え、助け合っていくという意識が薄れているように感じます。
生活に必要な作業を生身の人間が当たり前にやるということが忘れ去られているように感じますが、そのようなことは意識して取り戻していくべきです。
「一心寮」での合宿中に野外で遊んでいたところ、天候が突然変わり近くに雷が落ち、現三代目塾長の正宏さんを背負って合宿所まで逃げるという経験をしました。そのようなアクシデントは山の合宿でも度々ありましたが、その際の危機回避では生きる力を問われ、色々な生活体験で培ったものが試されました。
インターフェースごしの情報ではなく、生身の人と人とが向き合う中でしか解決できない問題がある。現代人は、色々な人と直接向かい合ってコミュニケーションを取るという力が落ちているように感じ、危惧しています。様々な人間が互いの良さを引き出し、チームとして協力するということは人と向き合う中でしか鍛えられません。私の場合、そのような姿勢は塾から学び取りました。
ちなみに、はじめ塾はスマートフォンやテレビゲームなども禁止しているわけではありません。そのようなものを封じるのではなく、それはそれとして受け入れつつも大事なものは見失わない、というのが基本的な姿勢です。
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