—— では、結婚制度に固執しないとすれば、現代の男女は何に心の拠り所を求めればよいのでしょうか?
にらさわ 結婚相手や家族に限らず、人は誰もが自分の話を語りたいし、それを誰かに聞いてほしいと思うものだと感じます。常に誰かとのつながりを求めるものであり、気軽に誰かと声を掛け合いたい。そう考えると、未婚既婚に関わらず、誰かと気軽につながりを持てる場を個人個人で持てるとよいのかもしれません。
日本社会では高校や時には大学までカリキュラム化されており、出会いもその枠内で自然に訪れるものだとされています。でも、ひとたび枠外に出てしまえば、個人で選択をしながら日々を積み重ねてゆくことになる。そして私たちは、まだ何かを自由に選択するということに慣れていないんじゃないかと思うんです。特に、出会いがないと悩む人たちには、自由に選択することが苦手な真面目な人が多いような気がします。
でも、真面目であることは利点でもあるので、それを捨てる必要はない。真面目な人であっても、自由に選択を積み重ねていかなければならないという、新しい時代に直面する中、自分の手で自分の未来を選択していいんだとわかれば、新しい未来がきっと開けてゆく……。それに挑戦し始めている人たちに、今回、たくさん出会いましたし、実現できる“息吹”を大勢の人たちの姿から感じました。
—— 未婚であるということも“当然”の社会。一人ひとりの選択の幅が広がっているんだから、それぞれが自分の選択に従い、人との出会いや自由を謳歌することができれば、必ずしも結婚に固執せずとも人は悠々自適に生きられるのかもしれないですね。本日はありがとうございました。
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