「イスラム国」と並ぶ凶悪組織、アフリカ・ナイジェリアの「ボコ・ハラム」に拉致された女性らがイスラム原理主義教育ですっかり洗脳され、自爆テロリストに改造されている実態が明らかになっている。軍に救出された後も村八分に遭うなど“ボコ・ハラムの妻”と烙印を押された女性たちに安らぎはない。
拉致した少女を返せと抗議する人々(iStock)
レイプ・キャンプ
「ボコ・ハラム」の悪行が世界的に知れ渡ったのは、何と言っても2年前のナイジェリア北東部チボクにある女子学生の寄宿舎を襲撃し、女子生徒276人を拉致した事件だ。一部は逃げ出したが、219人の行方はいまだ不明のまま。大半は戦闘員の性の奴隷にされ、また一部は隣国のカメルーンなどに売り飛ばされたとも言われている。
こうした拉致された女性らの最新のひどい状況を伝えたのはワシントン・ポストなど米各紙だ。同紙によると、25歳のハムサツと15歳のハリマという捕虜から救出された2人の女性はカメルーン国境に近い都市バマに住んでいたが、市が2014年9月、「ボコ・ハラム」に襲われた際、拉致された。
当時、バマには35万人が居住していたが、戦闘員は逃げ遅れた男の市民らを銃撃や首を切断して殺害した。この時に拉致されたのは、2人を含め約25人の女性たちだった。女性たちは徒歩やバイクの後ろに乗せられるなどして何日間か移動、奥深いサムビサの森にある性奴隷のキャンプに連れていかれた。
女たちは寝るだけのスペースがある掘っ立て小屋を与えられ、毎夜、違った戦闘員にレイプされ続けた。ハムサツは2カ月後に妊娠した。ボコ・ハラムの戦闘員は自分たちの血を分けた子供たちを作り、新しい戦闘員を増やすことを狙っているとされる。