安堵して2階のバス乗り場の待合室に上がると椅子は満席でさらに床に寝込んでいる人間がゴロゴロしている。さらに田舎への土産物で膨れ上がった荷物で足の踏み場もない。煙草、酒、お菓子から果ては子供用三輪車、羽毛布団まで何でもありだ。バスターミナル全体が禁煙で至る所に禁煙マークが表示されているが、まったくお構いなしで成人男性のほぼ半分以上が喫煙している。
7時の出発まで時間がないのでとにかくトイレを目指して人込みをかき分けて進み「公厠」と書いてあるトイレに駆け込むと個室はドアがないオープンタイプであるが大混雑で押し合い状態。仕方なく「小」に並ぶが狭い空間で好き勝手に喫煙しているため目が痛く息が苦しくなる。ほうほうの体で用を足して手を洗おうとするも水がでない。時計は発車2分前。
昆明行きの大型“デラックス・リクライニングシート・完全空調”バスに乗り込む。室内は荷物棚に入りきれないカバンやズタ袋で通路は一杯。定刻より20分遅れでバスは一路昆明に向けて出発。聞くとどうも20時間くらいの旅程のようだ。
昆明行きのリクライニングシート・完全空調付きデラックスバス(高速道路のサービスエリアで)
⇒第2回に続く
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