2024年11月22日(金)

「子縁」でつながる秋津地域のお父さん 

2016年5月31日

学校は年間の約80%の時間帯は
閉まっていて避難できない

 ところで、前回に続き学校の避難所機能について考えたいと思います。

 4月14日にマグニチュード6.5の前震が発生した熊本地震は夜の21時26分頃。さらに、その28時間後の4月16日の土曜日にマグニチュード7.3の本震が起こったのが真夜中の午前1時25分頃でした。

 14日も16日も学校には誰もいない時間です。

 では、その時間に避難者が避難所の学校に駆け込んだ際に、だれが鍵を開けて解放したのでしょうか。

 図「2つの学社融合=狭義と広義の時間帯の状態」をご覧ください。

図:2つの学社融合=狭義と広義の時間帯の状態 拡大画像表示
【出典】 岸 裕司著 『学校開放でまち育て-サスティナブルタウンをめざして』(2008.1.学芸出版社)


  図は横軸が1年365日を表しています。そのうち公立学校の開校日は年間だいたい200日間です(私立は別です)。ということは、休校日は年間45%の日数に相当する165日間もあります。対して縦軸は、1日24時間を表します。学校教育として使われている時間帯は、朝の8時から16時までの8時間(中学や高校の授業外の部活は除きます)。

 つまり、年間の標準的な公立学校の開校総時間数は1,600時間(8時間×200日)ということです。すると、年間の総時間数は8,760時間(24時間×365日)なので、開校総時間数比率は年間の約18%ということになります(1,600時間÷8,760時間)。これに、休校日の教職員の必要出勤日数の23日をプラスすると(23日×8時間=184時間=年間時間帯の約2%)、開校時間比率18%+休校時間帯での教職員の必要出勤時間比率2%=20%となります。

 結果として「学校に人がいる合計年間時間=鍵が開いている時間」は、1,784時間(1,600時間+184時間)です(残業や無休出勤などは除く)。

 逆にいうと、年間約80%の時間帯は「学校は閉まっていて避難できない」のが現実なのです。


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