学校の鍵は住民も持つべき
さて問題は、早朝や夜中も含めた約80%の学校が閉まっていて避難できない時間帯に巨大地震が発生し、住民が避難所の学校に駆けつけたらどうなるのでしょうか。誰もいないので当然鍵がなく学校内に避難することができませんよね。
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2011年4月19日、岸裕司撮影
阪神淡路大震災は1995年1月17日の早朝5時46分に発生しました。家屋が倒壊した住民らは命からがら避難所の学校に駆けつけました。しかし早朝で誰もいなくて鍵が開きません。ではどうしたのでしょうか。一部では窓ガラスを割って解放したのです。命の問題ですからガラスを割ったってよいのですが、電気もガスも止まり真冬のためにその日の夜中から冷気が侵入して凍えたそうです。
だから、住民が安心して避難するためにも学校の鍵を住民が持つことが住民自治での自主防災の観点からも重要な都市政策といえるのではないでしょうか。
スクール・コミュニティは
住民自治での自主防災の学校
同時に校舎内施設も「生涯学習社会の実現」のためと、余裕資源の有効活用のためにも住民と共用・共有しないともったいないと考えます。
ふたたび先の図をご覧ください。
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【出典】 岸 裕司著 『学校開放でまち育て-サスティナブルタウンをめざして』(2008.1.学芸出版社)
学校教育に使われない生涯学習などのために開放可能な時間数は、放課後だけでも1,000時間(16:00~21:00=5時間×開校日200日)もあります。休校日にいたっては2,145時間(8:00~21:00=13時間×休校日165日)もあり、放課後の時間との総時間は3,145時間にもなります。