WEDGE REPORT

2016年7月2日

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田村明子 (たむら・あきこ)

ジャーナリスト

盛岡市生まれ。1977年米国に単身留学し、1980年から現在までニューヨーク在住。著書に『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)、『知的な英語、好かれる英語』(生活人新書)、『女を上げる英会話』(青春出版社)、『聞き上手の英会話』(KADOKAWA/中経出版)など。翻訳書も多数。フィギュアスケートライターとしても知られており、『挑戦者たち-男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で2018年ミズノスポーツライター賞受賞。

人気低下に悩むバレエ団

メトロポリタン歌劇場のホール内(筆者撮影)

 アメリカンバレエシアターは、北米でナンバーワンのクラシックバレエカンパニーとして知られてきた。

 バレエに全く興味がない人でも、ミハエル・バリシニコフの名前は聞いたことがあるだろう。1974年にソビエト連邦(当時)から亡命したときに、彼を団員として迎えいれたのがこのABTだった。

 バリシニコフが舞台に立つ日には、ABTの公演チケットは毎回完売で、当日限定販売の立見席を求めて、人々は前夜から列に並んだというから、バレエもロックコンサート並みの人気だったのだろう。

 だがこのところ、会場では空席が目立つようになった。赤字続きで運営にも四苦八苦しているという噂である。

 その理由の1つは、ダンサーの質の低下で集客がままならなくなったこと。

 特に女性のプリマの衰退は著しく、芸術監督のケヴィン・マッケンジーは、英国ロイヤルバレエ、ボリショイやマリインスキーバレエなど、海外のスターダンサーたちを一本釣りしてゲストプリンシパルとして迎え、どうにか体裁を保ってきた。

 だがその予算も尽きたのか、今シーズンはほとんど子飼いのダンサーだけで勝負をしている。ミスティ・コープランドのプリンシパル昇格も、そんな事情の中で行われたことだった。

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