したたか者の流儀

2016年7月17日

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 最近、非アラブで大きく変化しているイスラム圏の大国がイランであろう。資源や知恵も力も十分過ぎる国だ。同様のキャラクターだが、残念ながら資源に恵まれないのがトルコだ。EUに入りたいといったら、イスラム教国だからなのか、お気持ちだけで十分ですと言われたようだ。イランはペルシャ語をアラビア文字にのせている。

 逆にトルコは、大人物ケマルアタチュルクの命令でローマ字にしてしまった。彼は、コーランをベドウインの戯言と言いきってトルコの近代化を進めた。トルコは、世俗主義とイスラム主義の狭間で常に揺れている。古いトルコの文章もアラビア文字でできている。今はアルファベットだ。これら全部がイスラムだ。

イスラム教義の縛りが厳しい国も緩い国もある

 有名な戒律は、多々あるが、イスラム教義の縛りが厳しい国も緩い国もある。たとえば、一番厳しいサウジアラビアで酒を持っていたら笑い事ですまない。それを知らない日本人駐在員の妻が、亭主のために紙パック入りの酒を持ち込んで一大事になったことがある。同様に酒に厳しいクウェートでも、旅行トランクにヘネシーを入れているのが見つかっても没収されただけだ。担当官は少しだけニヤリとして目が光る。バハレーンやドバイは空港の免税品店で酒を売っている。酒に一番うるさいアラビア湾岸諸国でもこの通り違う。モロッコではおいしいロゼワインを生産している。エジプトではエビアン水と同様、ステラ・ビールの販売量は総輸入量よりも多い。空瓶が大切にされる理由がわかる。

 サウジアラビアをはじめとした湾岸諸国の人々とのつきあいは濃くて長いが、あれほど強い個性の人々は見たことがないが、一旦イスラム教義となるととても従順だ。どのように教育したのか、モハメッドに聞いてみたい。そして彼らの一部とはいえ、一体何に不満を持って、あのようなことをするのであろうか。それも聞いてみたい。

  
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