2024年12月22日(日)

したたか者の流儀

2016年6月30日

 文京区のとんかつ屋で最近みまかった鳩山邦夫さんに何度もお会いしたことがある。感じのいいおじさんであった。とんかつが好物だったのだろう。友達でも友人でもなかったが、偶然隣に座ったり、目の前に座ったりして食べた。そんな彼の祖父を覚えているだろうか。鳩山一郎は、日ソ国交回復をなした首相だ。彼が取り立ててソ連に興味があったとは思わない。彼にとって目障りな吉田茂が日米安保をなしたのなら自分はソ連だという子供じみた動機であったとするとすべて説明がつくことになる。

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国民投票など必要なかった

 大政治家であっても、その行動原理は功名心とジェラシーで説明がつく場合がほとんどだ。ましてや、子犬のようなデーヴィッド・キャメロン首相が下手を打っても驚かない。はた迷惑をまき散らしてしまったが、所詮そんなものだ。すでに今回の件、キャメロンの名前がパナマ文書に出てきたときに嫌な予感がした。国民投票などする必要はなかったのだ。そんな投票は、自分の考えを押し通す時に、数々のからくりや仕組みをして行うものだ。

 忌まわしいヒトラーも、時々で国民投票をしているが、自分を正当化するためで、国民をハナから馬鹿にして行動している。一時、太陽神戸三井銀行という銀行があった。人柄のよい銀行がいくつも集まったので内部でまとまりがなくなってしまった。知恵者が、安上がりに状況打開するため、行内投票で銀行名を決めることとなったようだ。結果さくら銀行となったが、三択で残りの二つは箸にも棒にものかからない名前で、さくらに決まったそうだ。みんなで決めた名前なので頑張るようにという指示があったと聞くが、経営者は当初よりさくらに決めていたのだろう。

 銀行名ならともかく国家存亡の事項を、学級会ではないのだから、国民に判断させてはいけない。加えて選挙民は世界中で劣化していることも考慮しなければいけない。キャメロンは、オックスフォードを優秀な成績で出ていても、町会長くらいしかやらせてはいけない人材だろう。切れ味の落ちた晩年のサッチャーのマスコットボーイにすぎない。

 あの国には、見たこともない驚きの首相がもう一人いた。平和主義が一番だという信念で、というより身内でノーベル平和賞を受けている人がいるため、兄弟受賞を夢にみたのであろうか、ヒトラーとの対話に道を開こうとして相手の術策に乗ってしまったチェンバレンだ。


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