毛沢東の文化大革命?
こうして見ると、今回の事件は両派の長年にわたる権力闘争の結果だということが浮き彫りになる。エルドアン派はギュレン派が長年かけてトルコの軍や国家機関に信奉者を送り込み、将来的に国家を乗っ取る計画だったと見ている。
エルドアン氏にギュレン派を許すつもりは全くない。国内の融和ではなく、一気にギュレン派を粛清して独裁体制を固める覚悟のように見える。エルドアン氏が国をあげてギュレン派の粛清にまい進する姿を1960年代の中国の文化大革命や79年のイランのイスラム革命に重ね合わせる歴史家やアナリストもいる。
「毛沢東やホメイニ師の革命が思い浮かぶ」(米アナリスト)。後年、“エルドアン革命”と呼ばれるようになるのかどうかは不明だが、行き着く先が民主主義と逆行する形になる懸念もある。1950年代に米国で吹き荒れた「マッカーシ旋風」が現代のトルコに蘇る恐れも高まっている。
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