2024年12月6日(金)

WEDGE REPORT

2016年8月9日

 8月1日、テスラ・モーターズがついにソーラー・シティの買収を26億ドルで行うことを発表した。7月26日にはネバダ州レノでバッテリー工場、ギガ・ファクトリーのオープニングセレモニーも行われ、EV用と家庭用、両方のバッテリー分野でのシェア拡大を狙うと考えられている。

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早くも黄色信号? 続々とバッテリー工場

 ギガ・ファクトリーでは2018年までに年間50万ユニットのEV用バッテリーの生産能力がある、という。しかもこれは第一フェーズのみの数字で最終的な目標は年間に150万台のEVをカバーできるバッテリー生産だという。
しかしながら、ソーラー発電、EV、家庭用バッテリーで究極のエコシステムを作り上げ、それをテスラ1社が管理、世界中に広げる、というイーロン・マスク氏の狙いに早くも黄信号が灯りつつある。

 まず、ライバルたちの動向だ。EV「ボルト」をテスラ・キラーと位置付けるGMは、現在北米で自動車メーカーが運営するバッテリー工場としては最大規模のグローバル・バッテリー・システムズを有するが、今年に入りその規模を3倍に拡大させた。さらに今後中国、ドイツでもバッテリー研究所を立ち上げる予定だという。

 また、中国企業に買収された米最大のバッテリー・メーカーだったA123も、電力会社のグリッド用バッテリーから再び自動車用バッテリーへ生産をシフトする、と発表した。同社は今後2年間で中国を含めた世界中の工場での自動車用リチウム・イオン電池の生産を倍増し、1.5ギガワット時にする、とも発表した。

 GMとA123のバッテリー生産増により、バッテリー価格が今後急激に下落するのでは、という予測も飛んでいる。ギガ・ファクトリーは完成したが時すでに遅し、利益を生み出せない、あるいは初期投資を回収できない施設になるのでは、と囁かれる。


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