山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2016年9月1日

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得度をすると何か得をすることがあるのか?

 得度式を受けるということは僧侶になるための儀式であり、剃髪をして五戒を守る約束をするということです。つまり僧籍に入るための「許可」を頂いただけですから悟りを開くための「仮免許」のようなものです。だから「損」することもないけれども、特別に何の「得」もありません。僕の場合は僧侶になっても何の「得」もないのは分かっていましたが、子供のころから何となく「お寺さん」の雰囲気に魅かれるところがありました。

 子供の頃にはお寺の親類のお兄ちゃんが京都の実家に下宿をしていてお勤めを聞いたり一緒に遊んでもらったりしていました。僕にとってはそんな抹香臭い雰囲気の「門前の小僧習わぬ経を読む」ような環境が揃っていたのでしょう。さて、得度するということは実は「得」どころか僧侶になるための修業が始まりますから、むしろ「苦しみ」が始まると思った方がより近いでしょう。

 目的を持って「厳しい修行」に打ち込むことは素晴らしいことですが一般的な価値観で計ると大した「得」はないという人の方が多いでしょう。「宗教法人は無税」だから「坊主丸儲け」で大得をしている筈だと云っている人が居ますが、私が見聞する限り約7万5000の寺院(僧侶人口は約31万人)で一部の観光寺院を除いて、経済合理性から判断すると何の「利益」もないのが実体です。事実、裕福な寺院は減ってゆく一方ですから寺院の経営は大変だと思います。

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