初瀬:先ほど鈴木さんがおっしゃったように、僕も何のために自分は障害者になったのか、とその意味を考え続けました。その答えが「自分は健常者と障害者の架け橋になる」というものでした。
僕は目が見えないので就職活動でものすごく苦労しました。視覚障害というだけで面接を受けられないんです。その辛さを知っています。だからこそ経験を生かして、理解したうえで僕が障害者の就職の手助けをする。そのために自分は障害を負ったんだと考えるようになりました。それが僕の行動の原動力になっています。
鈴木:僕の場合は自分だけじゃなくて、周りのニーズからそれを気づかせてもらったようなものです。
高校生の頃から二分脊椎の会で講演してくださいという依頼をいただいたり、大学に入ったあとも学校や病院、企業などに講演に行く機会があったんです。
僕は周りの人たちから、障害者と健常と言われる人との間を繋ぐ役割に気づかせてもらいました。そういった意味を持って活動していくうちに、障害者と健常者から、患者と医療者に替わって、その間を繋ぐ役割になっていきました。これって誰もやっていないじゃん! と気づいたんです。そうすると、今度はそういった仕事が降ってくるように増えてきたのです。周りの人たちが僕の行き先を照らしてくれていると思っています。
初瀬:僕もきっとそうなんです。周りの方たちがいなければ、今の自分にはなっていないですもんね。ご縁に乗っかっていった結果です。
鈴木:自分では営業活動していないですから、まさにご縁に乗っています。一生懸命目の前のことをやっていくと、どんどん道が開けてくるといいますか、周りの人たちや環境がある方向に整えてくれるといったようなところがあります。
患医ねっと㈱では、薬剤師教育をしているんですがHPではあんまり触れていないんです。ありがたいことに、更新をしていなくても仕事が回ってくるようになりました。
これ全てご縁ですよ、周りの人たちも、うまく僕を活用してくれているんです。それに一生懸命乗っているだけです。
初瀬:障害者が積極的に行動する理由はその辺りにありそうですね。