2024年12月23日(月)

障害と共に生きる~社会で活躍するチャレンジド

2016年10月5日

 今回は患医ねっと㈱代表取締役の鈴木信行さんをお迎えしております。

 鈴木さんは二分脊椎症による下肢麻痺及び直腸障害を持って生まれ、20歳のときに精巣腫瘍に罹患し手術。24歳で再発し人生の転機を迎えました。

 「自分にしかできないことを追い求めていこう」と患者の目線で、患者と医療者、企業を繋ぎ社会を変えていきたいと幅広く活動されています。


*前編はこちらから

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初瀬:鈴木さんはガンの再発が人生の転機となって、様々な活動をされるようになったのですが、『みのりcafe』は社員に任せ、この夏に『患者スピーカーバンク』の理事長からも外れたので、現在は、患医ねっと㈱がメインということになりますね。

鈴木:患医ねっと㈱というのは、患者と医療者をネットワークで繋げたいという思いから設立しました。ガンが再発して9カ月間入院しているときに感じたのは、患者の目の前で医療者が問診しているのに、心の距離がものすごく遠いということでした。患者は医療者に言いたいことを言えないし、逆に医療者だって患者に本音を語っているのだろうか、という疑問も湧きました。もっと患者と医療者は心で繋がらないといけないと思ったのです。距離が近づくとお互いに良いことばかりのはずなんです。そういった活動を患者の視点でやっていきたい。そんな思いのこもった会社です。

鈴木信行さん(患医ねっと株式会社)と初瀬勇輔さん(筆者撮影、以下同)

初瀬:心の距離ですか、確かに遠いです。患者にしてみれば言いたいことが言えませんからね。その関係はよくわかります。具体的にはどんなことを?

鈴木:患医ねっと㈱がやっていることは、患者と医療者がいっしょに行う研修会であったり、対話の会であったり。場所にしても病院の中で患者が医療者に研修を行ったりもします。その他には薬剤師会にも研修のカリキュラム等を提供しています。

 薬局って街中にあって当たり前で、お店の名前すら憶えてもらえないケースが多いんです。ですが、薬剤師さんたちの能力は非常に高くて、この能力をもっと患者さんたちのために役立てることはできないだろうか、また、患者側に立てばもっと活用する方法はないだろうかと考えました。

 我々がカリキュラムを提供することによって、薬剤師がもっと患者に対してアピールできるようになっていきます。すると患者側も薬剤師を活用しようと考えるように変わっていきます。


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