2024年7月14日(日)

前向きに読み解く経済の裏側

2016年10月10日

 これは経済構造が変化したというよりは、「変化が臨界点に達した」ということでしょう。氷に熱を加えると氷が溶けますが、温度は上がりません。氷が溶け終わると、従来同様に熱を加え続けているだけなのに、温度が上がります。水温が100度になると、再び温度が上がらなくなります。このように、同じ力が加わっても別のことが起きる場合があるのです。経済でも同様です。

 景気が回復を始めても、失業者がいる間は省力化投資は行われませんが、失業者がいなくなると(正確には一定数以下にまで減ると、さらに正確には自然失業率に達すると)省力化投資が始まるのです。

 本文は以上です。以下は、経済初心者用にデータを扱う際の留意点などを記したものです。一般の方も、復習のつもりで御読みいただければ幸いです。

データの採り方等々に細心の注意が必要な事は当然……経済初心者用

 いろいろ記して来ましたが、それ以前の問題として、データそのものが信頼に足るものである事は、最低限の必用条件です。その際、たとえば左派系新聞や右派系新聞の読者アンケートで支持政党を聞くことなどは、当然にバイアスがかかっているので、信頼度は大きく落ちるでしょう。

 因果関係にも注意が必用です。たとえば「警察官が多い街ほど犯罪が多い」というデータを見た時、「では警察官を減らそう」と考えてはいけません。「犯罪が多い街ほど警察官を雇うために予算を使う」「人口の多い街は警察官も犯罪も多い」といった因果関係があるからです。

 なお、データの扱い方等々について詳しく知りたい方は、以下の参考文献を御覧ください。

(参考文献)
■因果関係で読み解く株価と景気のウソホント
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7014
■統計使いに騙されることなかれ
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7036
■前年比に頼るのがキケンな理由
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7004

  
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