定年バックパッカー海外放浪記

2016年12月25日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年、横浜生まれ。神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

シチリアの世界遺産、ノート渓谷のバロック建築群

モーディカのバロック様式の大聖堂

 ポッツアーロから世界遺産“ノート渓谷のバロック都市”のひとつモーディカまでローカルバスを乗り継ぐ。モーディカのカフェでカプチーノと揚げパンで1.30ユーロのブランチ。オーナーが親切で感じの良いカフェなのでフリーWIFIを繋ぎネットでニュースやマーケット情報を収集しメールをチェック。デジカメの電池も充電してトイレに入り、最後に荷物を預けて市内観光に出かける。こういった使い勝手がよく親切なカフェはキャンプ旅のオアシスである。

バロック様式で再建されたモーディカの聖ジョバンニ教会

 ノート渓谷一帯は果樹栽培が盛んで特にレモンの木が多い。“君よ知るや南の国。檸檬の花が咲き、オレンジが実る国”というゲーテの一節を思わせる風景である。

 10月13日―14日 ラグーサ市民公園で二晩野営。昼間はラグーサ市内のバロック建築群を見て歩いた。ラグーサは世界遺産“ノート渓谷のバロック都市”の中心都市である。

 1693年の地震でノート渓谷一帯は灰燼と帰したという。モーディカ、ラグーサ、カルタジローネの三つの街を歩いたが都市計画に基づいた整然とした街並み、バロック建築様式で統一された建築群に圧倒された。

 未曽有の天災を克服して理想の世界を創造するというルネッサンス期の力強いイタリア人の意志を感じた。おそらくこの地方の聖職者、貴族、地主、大商人などの有力者が私財を投げ打って都市の再建を主導したのであろう。そして職人や庶民も労働力を提供して協力したのであろう。美しい建築群はこうした当時の人々の理想や精神を脈々と現代に伝えているようであった。

大地震後にバロック様式で再建されたモーディカの山腹に広がる建築群

⇒第6回に続く

  
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