夫婦別姓法案の閣議決定が先送りされています。政府は、法案提出期限は3月12日と言ってきましたから、今国会での成立は難しいとみられているようです。
これまで民法改正運動の先頭に立ってきた千葉景子氏と社民党党首の福島瑞穂氏がそれぞれ法務大臣、消費者・少子化・男女共同参画担当相で入閣したことから、夫婦別姓法案成立の機運が高まっていました。鳩山由紀夫首相も賛成してるにもかかわらず、ここまで調整が難航しているのは、ただ一点、国民新党代表の亀井静香郵政・金融担当相が反対しているからです。
3月21日の産経新聞によれば、20日に都内で開かれた夫婦別姓に反対する集会で、亀井大臣は、鳩山首相から「国会に出すだけ出させてください。国民新党は反対してもかまいません」と求められたが、拒否したことを明らかにしました。そして「孤立無援の戦いになろうとも秋の臨時国会でこの法案が成立しないためにも死力を尽くしがんばり抜く」と強調したそうです。
亀井大臣が反対する理由は、「すでに日本の家庭バラバラなのに、表札までバラバラにする法案には反対」(週刊文春3/25号)、「身も心も一緒になりたいと結婚するのに、姓が別なんておかしな話はない」(2/23産経新聞)ということのようです。
私自身は、「男女平等の確立のためには夫婦別姓を法的に認めることが不可欠」という賛成派の理屈も、「別姓を容認すると家族がバラバラになる」という亀井君の意見にも、いまひとつピンときていません。勉強不足なので軽々には言えないのですが、いま国論を二分してまでやらなければいけない緊急の課題とは思えない、というのが率直なところです。
大切なのはミクロのひとつひとつの家族
結婚、家族といった問題は、たしかに法律も大事ではあるでしょうが、ミクロのひとつひとつの結婚、家族がどうであるか、ということのほうが、ずっと大切なことではないかというのが私の考えです。
家庭や家族がしっかりするにはどうしたらよいかを、自己規律の力を持った政治家を中心として、国民がみんなで真剣に考えることが、先の議論に先行するべきだと考えます。その意味で、次に掲げる実話のような、力強い家族のエネルギーとやる気が(ほんの一例ですが)、日本をよくしていくと、私は思うのです。
3月21日(日)、結婚と家族の素晴らしさを心から感じさせてもらった出来事があったので、少し紹介させてください。
その日は、私の甥の結婚式でした。10年前に奥さんを亡くし、男手ひとつで、14歳を頭に男・女・女の3人の子どもをほぼ育てきった55歳の甥が、50歳の現役小学校教師で初婚の女性と結婚したのです。