ベストセラー作品は読みやすい
最後に、リー・チャイルド(Lee Child)の新作NIGHT SCHOOLにも触れたい。アメリカ陸軍で軍隊内の不祥事の捜査を担当していたタフガイ、ジャック・リーチャーが主人公のシリーズ第22作目だ。この秋、NYタイムズのフィクション単行本部門でトップを獲得した。本コラムでも以前、取り上げたことがある作家だ。このシリーズ作品はトム・クルーズ主演でハリウッドで映画化もされており、一段と人気を集めている。
新作は主人公のリーチャーがまだ陸軍にいた1996年当時の主にドイツを中心にストーリーが展開する。中東のテロリストたちが近く、身元不明のアメリカ人から1億ドルで何かを手に入れる。ただ、それだけの情報からリーチャーたちはテロリストたちの企てを阻止しようと調査を始める。いつ何のために、何を、そして誰から買うのか。そんな肝心の情報がないのに、どうやって新たなテロを阻止できるのか。リーチャーが相変わらず超人的な推理力と身体能力を駆使し、悪漢たちを叩きのめしながら真相に迫る。手に汗握るスリラーだ。
ジャック・リーチャー・シリーズのうち何作かは、日本でも翻訳が出ている。関心のある方は近くの本屋で文庫本を手にするもよし、試みに英語の原書を手にとってみるのもいいかもしれない。ベストセラーのいいところは、やはり読みやすいという点につきる。売れる本はやはり読みやすい。英語の原文も日本人には読みやすいことうけあいだ。
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