大統領選の際中でも、現大統領のフランソワ・オランドの事実婚の元パートナー、セゴレン・ロワイヤルに、トランプがヒラリーにおこなったような口撃をしている。トランプをポピュリズムと騒いでいるが、既に2007年のフランス大統領選の時から反移民やポピュリズムで大国の大統領が当選していることを忘れてはいけない。
もっといえば、シラク大統領時代から泡沫候補といわれ、濁声で叫びながらシラクと何かにつけ対決していたジャン・マリ・ルペンは、今話題のマリーヌ・ルペンの父親であることを付け加えておく。ポピュリズムはトランプで急に力を持ってきたのではなく、政治風景の中の自然現象であり、それが選挙民の数少ない不満のはけ口となっていることも忘れてはいけない。
フランス政治の肝
さて、一つだけ、フランス政治の肝を伝授しよう。フランスで政治家になるには、その過程で能力の検査は十分に行われていると考えていい。すなわち誰でも国連総会で立派な演説はできる。まずいのは、こっそり高級アパートを持っていたり、誰かが金を払って事実上別荘を保有しているのがばれた場合フランス国民は悋気の火の玉となる。
逆に、女性問題で、しゃれたことをすれば、拍手喝采となる。その伝でいうと、中道系独立候補マクロンは、嫁取りでかなり高得点が得られるだろう。高校時代、自分の先生だった女性で、親子ほど差のある人を嫁にしている。
フランス語でいえば、“サンパ ”(いい感じ)ということになる。世界の今後を占うフランスの大統領選挙が、あと数カ月でやってくる。何日でしたかと聞かないでほしい。具体的な日取りはわからない。なんせ、一度では決まらない選挙になるからだ。
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