2024年11月22日(金)

ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2017年2月16日

 その子がどんな力を持っているかを良く観察し、すでに持っている力はコーチングによって引き出し、強化します。まだ知らない、理解できていないことは、あいまいさが残らないように与え、教えます。

 実は知識も力もあるのに、その人自身はできないと思っていることもあります。動き出しが出来ていないだけだったり、実際には行えているのに本人がそのことに気づいていなかったりする場合です。

 そんな時は、「ああして、次はこうして」と教えてしまうよりも、「いま自分がどうやったか思い出せる? できてたよね」と気づかせてあげる方が、成長につながります。指導者がそばにいない時でも、自分で試行錯誤して力を伸ばせるようになるからです。

 また、教える時も、お互いのタイプを意識して行うのと、自分の感覚だけに従って行うのとでは効果が全く変わってきます。

「観察する力」が才能を引き出す

 この「教えることと引き出すことのバランス」は、子どもであっても、大人であっても、重要さに変わるところはありません。むしろ大人の方が、『自分』というものへのこだわりや思い込みが強い分、指導者は何を教え、何を引き出すのか、使い分けをより慎重に行う必要があります。

 そこで重要なのが「観察する力」です。

・その人が何を知っていて、何が得意で、いま何に気持ちが向かっているかを汲み取る。
・自分と相手の感覚タイプはどの程度重なり合うか、どんな違いがありそうか意識を向ける。
・その人の毎日の変化に気づこうとする。口癖に耳を傾け、目の表情、口元の表情、体の姿勢に目を向けて、体に伝わってくる雰囲気を感じ取るようにする。
・出来たかどうかという結果だけを見るのではなく、プロセスにも注意を払って、どこまで出来ていて、どこから上手く行かなかったのかをとらえるようにする。

 良い観察とは、視覚、聴覚、身体感覚を総動員して行うものです。自分が見たいように見て聞きたいように聞いていては、相手の人の真価はつかめません。自分と感じ方や考え方が似ているなら、自分の感覚だけでも分かるでしょうが、似ている人が過半数ということは絶対にありません。

 人を理解することが難しいのには、理由があるのです。

 しかし逆に考えれば、感覚タイプの違いについての知識を活かしつつ、観察の力を高めていけば、「人の力を伸ばすことが得意な人」という評価を得られるということでもあります。観察の力によって理解できる人の範囲が広がれば、それだけ人の力を伸ばすことも上手くいくからです。


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