WEDGE REPORT

2017年4月4日

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風樹茂 (かざき・しげる)

作家、国際コンサルタント

作家、国際コンサルタント(kazakishigeru@gmail.com)。1956年、北海道生まれ。東京外国語大学スペイン語学科卒業。メキシコ留学後、中南米の専門商社を経て、南米アマゾンの奥地でODAプロジェクトの鉄道建設にかかわる。その後は、シンクタンク、研究所勤務などで、首相向けの政策提言、ODA援助、海外投資、NGOプロジェクトに従事。イスラム開発銀行のコンサルタントも経験し、30数カ国を踏査。石油関連事業でカタール、ベネズエラに駐在。

 さて、ボリビアでは、30年前の構造調整政策で、最も影響を受けたのは、鉱山公社(COMIBOL)の労働者だった。2万人以上が余剰労働者として解雇された。それに対する激しい抗議運動がラパス他の高地で起こり、政府は戦車を繰り出し、武力で押えつけた。社会主義革命の旗手であった大統領(3度目)のビクトル・パス・エステンソーロは君子豹変するとばかりに、30年以上も前に自分が作った労働組合潰しにやっきになった。死者も出た。たびたび戒厳令も敷かれ、夜間外出が禁じられた。

格差が拡大したボリビアはその後

 その後、格差が一層大きくなったボリビアでは、コチャバンバ地方での水道事業の民営化・外資への販売、天然ガスの輸出とその国有化などを巡り、大きな政治的騒乱があった。

 一方、解雇された鉱山労働者やその他の貧民の一部は、チャパレ地域へ移住し、コカを栽培するようになった。そのような家庭から2006年に出てきたのが、アイマラ族出身のコカ生産組合の組合長、現在の大統領エボ・モラレスである(注:コカとコカインは別。コカ葉はインカ時代にも住民に配給されていた)。

 今後、世界は行き過ぎた自由主義を改め、格差や社会のゆがみの是正の時代に入っていくのだろうか? 筆者は、その手掛かりを見つけるために、20数年ぶりにアマゾンの小村を訪れることにした。

  
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