─予算がないといって及び腰になっている自治体も多い
齋藤:確かにどこもお金がないのが実情だ。しかし予算がないからできないというのは、言い訳に過ぎない。決して品川区が特別だったわけではない。
この10年間、成年後見センターは、区や民生委員らと連携して身寄りのない高齢者を支援してきた。その中で見えてきたのは自治体が主体的にかかわることの重要性だ。まさに自治体のやる気にかかっているとしか言いようがなく、意識改革が必要だ。
徘徊や孤独死、消費者被害など、高齢者を取り巻く問題は個人の問題ではなく、地域全体の課題だ。認知症の高齢者が増える中、こうしたことを成年後見制度の枠組みで食い止めることができるのかが、今問われている。
*「 先進地域に学ぶ成年後見の拠点作り・大阪モデル―認知症700万人時代に備える(PART2)」へ続く(4月4日公開予定)
【シリーズ:認知症700万人時代に備える】
PART1:東京23区の成年後見格差、認知症への支援を急げ
PART2:先進地域に学ぶ成年後見の拠点作り・前編:品川モデル
PART2:先進地域に学ぶ成年後見の拠点作り・中編:「品川モデル」構築のキーマン・インタビュー
PART2:先進地域に学ぶ成年後見の拠点作り・後編:大阪モデル
PART3:過熱する高齢者見守りビジネス最前線
PART1:東京23区の成年後見格差、認知症への支援を急げ
PART2:先進地域に学ぶ成年後見の拠点作り・前編:品川モデル
PART2:先進地域に学ぶ成年後見の拠点作り・中編:「品川モデル」構築のキーマン・インタビュー
PART2:先進地域に学ぶ成年後見の拠点作り・後編:大阪モデル
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