2024年4月26日(金)

From LA

2017年4月22日

 ディスペンサリーに入ると、まず窓口で身分証明証を求められる。州外の証明だと販売できる量に制限があるらしいが、問題なく中へ通される。ただし厳重に鍵のかかったドアをくぐり抜ける必要がある。

 中はごく一般的なドラッグストアのようで、ガラスのショウケースの中には乾燥大麻が並べられているが、大麻は吸引用の乾燥大麻だけではない。入ってすぐの場所に「大麻キャンディ」を販売している男性がいた。四角いキャンディが薬のようなパッケージに入り、「舌の上でゆっくりと溶かすようにして摂取する」という。

店内の様子

 またショウケースの後ろ側にはクッキー、グミ、錠剤などがぎっしりと並べられている。こうしたスイーツ系のほか、栄養ドリンクのような缶入りのもの、中にはスムージーとして販売している店もある。

 運転手氏によると「ディスペンサリーはどんどんクリエイティブになり、他にないようなユニークな商品を毎年開発している」という。大麻ビジネスは州経済にどのような影響があるかと聞くと「州の税収が増え、学校や福祉などにも予算が回るようになった。非常に良い結果をもたらしている」ということだ。

伸び続ける売り上げ、16年は13億ドルを突破

 それを裏付ける数字が州の財務局から発表されている。最初に大麻が合法化された2014年の売り上げは6億9920万ドル、15年は9億9620万ドル、そして昨年16年は13億1315万ドル、と順調に増えている。(医療用、レクリエーション用を合わせた数字)うち医療用は毎年4億ドル程度で変化が見られないが、レクリエーション用が年々増加した結果だ。コロラド州ではレクリエーション用大麻に15%の課税を行なっている。

 大麻合法化のメリットは、違法の場合は州に入らない税金が入ること、合法とすることで大麻取り締まりのための司法費用がかからないこと、など。実際まだ大麻が非合法の州でも、大麻所持はせいぜい罰金刑、というところが多い。大麻取り調べのために警察を動員し、裁判費用、拘置費用などを費やすよりも、罰金を簡易化する方向に進んでいる。そもそも医療用として合法化している州は全米26州にも及ぶのだ。

 コロラドの場合、合法化によって観光客が増えた面も大きい。特に近隣のテキサスなどから週末ごとに大麻目的で訪れる人が増えた、という。これにより観光収入も増えている。


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