オールハンドメイドインタンゴにこだわるネクタイは現在20アイテム、100カラーほどあり、毎年春と秋に新作を発表する。機織り職人が手仕事で織っているので、なんと1台の織機で1日2~3本しかつくれないのだ。
さっそく、機織工場を見学させてもらうことにした。工場内は窓から明かりが差し込むだけで意外と薄暗い。楠社長が「織り組織や風合などを最終的にチェックするには、自然光が一番いいんです」と教えてくれる。
機織り機が数台並ぶ部屋の扉を開けると、職人さんが黙々と機を織る音だけが、シャーッシャーッと聞こえる。なんだかまるで鶴の恩返しの決して開けてはならない部屋のようで、ちょっと不思議な光景である。
楠社長は代々受け継がれてきた自社の手織り技術をネクタイづくりに生かしたいと、あえて機械織機を処分して新たに職人も雇い入れた。ネクタイを織る機は地元の大工職人と工夫して自ら開発したネクタイ専用のものだ。
「例えるなら機械織りは平面的な2次元で、手織りのネクタイの陰影がある立体的な美しさは3次元なんです」と熱く語る楠社長。
そうやって出来上がるクスカのネクタイのコレクションに「丹後ブルー」と名付けられた1本がある。光の加減で青にも紺にも藍色にも見える美しいブルーのネクタイだ。
「いつもサーフィンに行く美しい丹後の海の色をネクタイで再現したくて名付けました」
ホントに言うこともやることも格好いいったらありゃしません。メイドインタンゴのネクタイは、男のファッションの主役なのだ。
(写真・阿部吉泰)
●クスカ
<所在地>京都府与謝郡与謝野町岩屋384-1
<URL>http://www.kuska.jp
●KUSKA Show Room & CONCEPT SHOP/
京都市中京区3条通烏丸東入梅忠町20-1 3F
<所在地>京都府与謝郡与謝野町岩屋384-1
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