2022年12月3日(土)

Wedge REPORT

2017年5月29日

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(出所)クールジャパン機構、イマジカ・ロボットホールディングスのリリース資料をもとにウェッジ作成
(注)イマジカ・ロボットホールディングスのリリースについては一部省略

 一方、CJ機構はイマジカの減損発表と同日、ホームページに「株式会社イマジカ・ロボットホールディングスからのお知らせ」を掲載した(詳細は図参照)。CJ機構にとって、SDI買収への出資額は、これまでの出資案件のなかで2番目に大きい。また、共同出資者であるイマジカは連結業績予想の修正を受け、役員報酬を減額した。にもかかわらず、「お知らせ」にはCJ機構自身はのれんを減損したのかの記載は一切なかった。

 これについて独立系の民間ファンド、ニューホライズンキャピタル(東京都港区)の安東泰志会長兼社長は「共同出資者が減損を発表している場合、減損するにしてもしないにしても、その判断の理由を投資家に説明するのが当たり前。官民ファンドであれば、それを国民が調べれば分かるような状態にしておく必要がある」と当初の開示姿勢についての不備を指摘する。

 CJ機構に減損の有無を質問すると、「2016年3月期決算については、会計方針に基づき、減損処理を行う必要はないと判断した。本決算については、会計監査人から適正であるとの意見を受けている。よって役員報酬等に影響を及ぼす理由はない」と回答がきた。東証一部上場企業の共同出資者が減損し、役員報酬の減額も行なっているのならば、公的資金が入るCJ機構はもっと「慎重に検討し」なくていいのだろうか。

初めてのエグジットの結果

 CJ機構が手掛ける案件で、2017年3月、初めてエグジット(出口)を迎えたのが、バンダイナムコホールディングス(以下、バンダイナムコ)へのアニメコンソーシアムジャパン(以下、ACJ)株式の売却だ。バンダイナムコはCJ機構など共同出資者14社から計21億円で全株式を取得したと発表したが、関係者によるとこのエグジットもうまくいかなかったようだ。

 CJ機構は、2014年12月、「海外における日本アニメファンの更なる拡大を目指すとともに、正規版アニメの配信や関連グッズの流通を通じ、日本アニメ産業の海外市場拡大と発展を支援」することを目的として、正規版日本アニメの海外への動画配信サイトなどを運営していたACJへ出資した。

 しかし、「海外大手企業の相次ぐ配信事業への参入・展開強化により、全世界的に動画配信権の獲得競争が激化するなど、外部環境の急激な変化に直面」(買収したバンダイナムコの広報)。配信事業は設立時の計画を下回るなど苦境が続き、2016年3月期の営業利益は約10億円の赤字となっていた。

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