2024年11月22日(金)

Wedge REPORT

2017年5月29日

評価される側の人がする側に

 前出の田中教授は「官民ファンド活用の幹事会や財投の審議会は官民ファンドを評価・監督する立場にあるので、これらに官民ファンドの役員が加わるのは利益相反だ」と指摘する。しかし、CJ機構は「CJ機構の指導監督は経産省が、株主としての政府の権利行使は財務省がしているが、財務省の審議会等に委員として参画することはこれらの業務にかかわる政府の意思決定に直接影響を及ぼすものではなく、『利益相反』には当たらない」と意に介さない。

 現状のCJ機構のガバナンスでは、民業補完に徹しながら、投資収益を得るという難易度の高い投資はなかなかうまくいかないだろう。このままでは、国民の知らない所で、国の債務が積みあがり続けることになりかねない。

イラストレーション・師岡とおる

  
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◆Wedge2017年6月号より


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