「ワタシ、オキナワ、カイヘイタイデス」
4月11日。ミズーリ州のSpringfieldから美しい田園風景のなかを小一時間走ると“Gary’s Gay Paritas Sinclair Station”という修復された昔のガソリンスタンドがある。ジョーという30代後半の陽気なあんちゃんが出てきてあれやこれや説明してくれた。
我々が日本人と分かると大喜びで「コンニチハ、ワタシナマエ、ジョーデス」と片言の日本語で挨拶する。彼はノースカロライナ州の出身。17歳の高校生の時に地元の不良少年仲間と傷害事件を起こして裁判所に送られた。ジョー曰く、ハイスクールでは“ワル”だったという。
そのとき矯正施設(correctional facility)に入るか、海兵隊(marine)に入るか二つの選択肢を提示された。血気盛んであったので迷わず面白そう(exciting)な海兵隊に入隊。司法制度で更生プログラムの一つに海兵隊という選択肢があるのはいかにも米国らしいと思った。
ジョーは真面目に海兵隊で勤務したので19歳で幸運にも沖縄の海兵隊基地に配属。とにかく沖縄では夢のような17年間を過ごしたという。13年間海兵隊勤務して、満期で退役してから4年間沖縄に留まり米軍関係や自動車修理工場で働いた。その間に日本女性と2回結婚。その他にも沢山ガールフレンドがいてオキナワ勤務はワンダフル&ドリームだったようだ。
その後故郷のノースカロライナに戻った。紆余曲折あり、先週ガールフレンドであるメアリーの故郷Springfieldに引越してきた。メアリーはガソリンスタンドのオーナーであったGaryの娘であり父親が昨年亡くなったので跡を継いだ。ジョーは自動車修理が得意なので一緒にメアリーの父親Garyの残したガソリンスタンドとモーテルを経営する計画だという。