中東を読み解く
イスラム国、シリア、イラク、イラン、トルコ、そして米露、イスラエル。混迷を極める中東情勢の動きを共同通信社記者としてカイロ支局に駐在していた筆者が解説する。
-
2018/10/12 佐々木伸
トルコで発生したサウジアラビア人ジャーナリストの謎の失踪事件は、同国を牛耳るムハンマド皇太子が命じた作戦の一環だったことが米情報機関の傍受で濃厚になった。ジャーナリストはすでに殺害されたと見られており、トルコ政府系紙はサウジ暗殺チーム15…
-
2018/10/07 佐々木伸
トルコ・イスタンブールのサウジアラビア領事館を訪れた反政府サウジ人ジャーナリストが謎の失踪を遂げ、本国に拉致されたのではないかなどとの疑惑が深まった。米ワシントン・ポストによると、トルコはサウジが暗殺チームを派遣して殺害したと判断している…
-
2018/10/03 佐々木伸
トランプ政権が11月の対イラン制裁第2弾を前にイランとの対立を先鋭化させている。これに合わせるかのように、イランで軍事パレード襲撃事件が起き、イラクの米公館へのロケット弾攻撃が相次ぐなど米イラン関係は一段と緊迫の度を高めている。
-
2018/09/18 佐々木伸
シリア紛争の終わりに向けた2つの最終戦争が始まった。1つは反政府勢力の最後の砦である北西部イドリブ県に対するシリア政府軍とロシア軍による攻撃。もう1つは米支援のクルド人民兵軍団による過激派組織「イスラム国」(IS)への総攻撃だ。トランプ政…
-
2018/07/30 佐々木伸
シリアとイラクでほぼ壊滅したと見られていた過激派組織「イスラム国」が地下に潜伏し、侮りがたい力を保持していることが鮮明になった。シリア南部で7月25日、ISによる自爆テロなどの襲撃が相次ぎ260人が死亡する事件が発生、あらためてその恐怖が…
-
2018/07/24 佐々木伸
米国のイラン核合意離脱に伴い、対イラン経済制裁の再発動が近づく中、両国の非難合戦が激化、ペルシャ湾の石油の大動脈ホルムズ海峡の封鎖まで取り沙汰される事態になってきた。トランプ米大統領は22日、イランのロウハニ大統領に向け、「米国を脅すな。…
-
2018/05/16 佐々木伸
トランプ大統領が5月14日、聖地エルサレムへの米大使館移転に踏み切り、パレスチナ自治区ガザで抗議行動が拡大。イスラエル軍の発砲で60人が死亡、約2700人が負傷する惨事となった。いたずらに人が死んでいくパレスチナにもはや未来はないのか。
-
2018/05/10 佐々木伸
トランプ大統領によるイラン核合意からの離脱決定はイランの強い反発を呼び、英仏独の米同盟国も離脱に反対であることを表明、米国との溝が深まった。トランプ氏にはイランの核問題解決の代替案がなく、「戦略なき決断」であることが浮き彫りになった。
-
紛争不介入の思惑浮き彫りに
2018/04/16 佐々木伸アサド氏に対するトランプ米大統領の強硬な言葉とは裏腹に、攻撃はロシアやイランに被害が出ないよう抑制された出来レースのような趣が強く、アサド政権の戦争継続能力に「なんら影響のない“茶番”」(ベイルート筋)。かえって米欧の及び腰が浮き彫りにな…
-
2018/04/11 佐々木伸
シリアで繰り返された化学兵器使用について、トランプ米大統領はアサド政権の残虐な行為と断じ、「高い代償」を払わせるとして、一両日中に同盟国の英仏とともに、懲罰の軍事攻撃に踏み切る可能性が高まってきた。しかし、この毒ガス使用を招いた原因は他な…
-
2018/02/22 佐々木伸
シリア北西部の攻防が予想もつかない展開を見せてきた。トルコ軍の侵攻で危機に直面していたクルド人勢力がこれまで敵対関係にあったアサド政権と手を組み、拠点の町アフリンに民兵部隊を招き入れたのだ。
-
2018/01/30 佐々木伸
アフガニスタンでイスラム過激派タリバンによるテロが止まらない。その背景として、トランプ米政権によるパキスタンへの軍事援助停止などの圧力に対する報復ではないか、との見方が強まっている。パキスタンが背後でタリバンを使って、アフガン情勢を操って…
-
2018/01/07 佐々木伸
イランの反政府デモは治安機関の取り締まりとソーシャルメディア(SNS)の封殺により下火になる見通しになった。ロウハニ大統領ら改革穏健派と保守強硬派との権力闘争が続く中、今回デモを誘発させるよう仕掛けたのは大統領と見られているが。
-
-
2017/12/22 佐々木伸
国連総会の緊急特別会合は21日、聖地エルサレムをイスラエルの首都と認定した米決定を批判する決議を圧倒的多数で採択したが、トランプ氏はこれに先立ち、反対する国への米援助を打ち切ることを強く仄めかした。
-
2017/11/27 佐々木伸
エジプト・シナイ半島で起きたモスク襲撃テロは300人を超える犠牲者を出した。IS分派「シナイ州」の犯行と見られている。シリアとイラクのIS本家が消滅する一方、今回のテロ事件は「世界各地のIS分派の復讐が始まった」(テロ専門家)ことを暗示し…
-
2017/10/18 佐々木伸
ISにとって「国家」の象徴だったラッカの陥落は組織上の壊滅に等しい敗北だ。ISの「国家」樹立の”実験”は失敗だったのか。
-
2017/10/17 佐々木伸
イラク政府軍がクルド自治政府の実行支配する北東部の油田地帯キルクーク州に進撃し、一部交戦が伝えられるなど情勢は一気に緊迫。ISの壊滅作戦が終幕を迎える中、クルド地域の緊張はイラクの将来に暗い影を落とし始めた。
-
2017/10/10 佐々木伸
イラン核合意をめぐり、トランプ米大統領は12日にもイランが「合意の精神を順守していない」と発表する見通しである。新たな制裁や合意からの離脱については議会にゲタを預ける格好になるもようだが、イランが強く反発するのは必至。両国関係は一気に険悪…
-
2017/09/29 佐々木伸
シリアにおける過激派組織「イスラム国」(IS)の壊滅作戦が大詰めを迎え、内戦も急速に勢いを失う中、“もう一つの戦争”が激化の徴候を見せ始めている。
|
|