著者紹介

髙杉洋平（たかすぎ・ようへい）

Yohei Takasugi

　帝京大学文学部史学科専任講師

國學院大學大学院法学研究科博士課程修了。博士（法学）。海上自衛隊生徒、宮内庁書陵部編修課非常勤職員、日本銀行金融研究所個別事務委嘱などを経て、2019年より現職。著書に『昭和陸軍と政治』（吉川弘文館）など。

大日本帝国と現代ロシア歴史が示す侵略国との向…

満州事変に至る道大日本帝国陸軍の素顔(番外編)
2023/05/08 髙杉洋平
1931年の満州事変から37年の日中戦争、そして2014年のクリミア併合から22年のウクライナ侵攻。侵略国を抑止できなかったという点で、大日本帝国と現代ロシアはあまりに重なる。そこから得られる教訓は多い。
泥沼化する日中戦争で日本が繰り返した「自己正当…

満州事変に至る道大日本帝国陸軍の素顔(6)
2023/04/13 髙杉洋平
なし崩しに始まった日中戦争に際し、中国はすぐ降伏するだろうとの甘い見通しのまま日本は場当たり的に戦争に臨んでいくことになる。泥沼化する戦争に対し、日本は自己正当化を繰り返し、その中でのロジックが足かせとなり、身動きが取れなくなっていく。太…
現代ロシアのように日中戦争に突き進んだ帝国陸軍

満州事変に至る道大日本帝国陸軍の素顔(5)
2023/03/14 髙杉洋平
常識的に考えれば成功するはずなかった満州事変は、しかし結果として「満洲国」建国に至る。中国の抵抗は乏しく、国際社会の反発は乏しく、国内はむしろ好況に向かった。日本はこうして、あらゆる要素を軽視しながら、日中戦争に突き進んでいく。
日本陸軍を民主化し、暴走させた「大正デモクラシ…

満州事変に至る道大日本帝国陸軍の素顔(4)
2023/02/16 髙杉洋平
莫大な犠牲を出した第一次世界大戦の結果、国際的な平和潮流が生まれ、一方で日本においても軍隊は国民的人気を低下させていった。さらに同時期の「大正デモクラシー」に、日本軍は順応を余儀なくされる。しかし、そうして社会との接点を増やした結果、皮肉…
旧日本陸軍「変貌」の転換点となった「近代化の挫…

満州事変に至る道大日本帝国陸軍の素顔(3)
2023/01/19 髙杉洋平
戦車や航空機など工業製品が戦争の主役となった第一次世界大戦を経て、日本陸軍は「近代化」という重い課題を抱えることになった。さらに戦争の惨状を受け「軍縮」の機運も高まる。この状況に対応していく中で、日本陸軍は大きなターニングポイントを迎える…

悪名高き「統帥権独立」とは何だったのか対立深…

満州事変に至る道大日本帝国陸軍の素顔(2)
2022/12/20 髙杉洋平
日露戦争勝利により日本軍の威信は高まり、軍は政治的にも台頭することになる。だが同時に、日露戦争終結時の日比谷焼き討ち事件を契機に、政党と大衆の力も強まっていく。
明治版「防衛3文書」から見る日本人の〝精神主義〟

満州事変に至る道大日本帝国陸軍の素顔(1)
2022/12/06 髙杉洋平
明治維新以来の日本にとって最大の安全保障上の脅威であったロシアを打ち破った日露戦争。その歴史的勝利後、しかし、増大した軍の政治的影響力の下、日本の軍事政策は迷走を始めていくことになる。