ノートを取りたくなければ取らなくてよい
「生徒には『授業での重要な部分を判断し、要約する』ことを繰り返させます。これによって毎回の授業での学びをアウトプットできるようになり、表現力向上につながっていきます。授業ごとにタイトルをつけるなど、自分が後で見返しやすいように工夫している生徒もいます」
教員の話をただ漫然と聞いて板書を書き写すのではなく、要約して自分の言葉にまとめ、アウトプットする。工藤氏はこれを「再現性のあるスキル」だと指摘する。このフレームワークは手帳の使い方においても同様だ。生徒たちは大人と同じビジネス手帳を使用し、学校生活や勉強のスケジュール管理を実践する。日・週・月ごとに振り返り、学びを整理していく。
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ただし、このフレームワークはあくまでスキルの一つとして教えているだけで、生徒に強制することはない。「学習の仕方は人それぞれであるべき。それを強制してしまえば、手段を目的化していることになる」と工藤氏は強調する。生徒には「ノートを取りたくなければ取らなくてよい」とさえ伝えている。