税金で公共放送(国営放送?)を維持しよう
筆者は、NHKの費用を税金で賄うことで、国民に必要な番組が放送を続けられるようにすべきだと思っています。お笑い番組は当然に不要ですから、その部分は分社化して民営化しても良いでしょう。
放送設備自体は、分社化した民間企業に移し、NHK自身は持たなくても構いません。その場合は、番組制作会社として、制作した番組を民放に提供すれば良いのです。官業より民業の方が効率的であることを考えれば、官業の業務範囲はできるだけ小さい方が良い、ということも考える必要があるでしょう。
さて、NHKを税金で運営するとなると、政府に都合の良い報道番組ばかり作られるのではないか、という懸念を持つ人も多いでしょうが、筆者はあまり懸念していません。その理由を説明しましょう。
人々の反応は、「政府が番組内容に干渉するなどという悪いことをする筈がない」という政府性善説と、「政府は干渉するに違いない」という政府性悪説に分かれるでしょう。これは自然なことです。共謀罪の時も、「政府が不当逮捕などする筈がない」「政府は不当逮捕をするに違いない」といった性善説と性悪説の「信じる信じない論争」がありましたし。
しかし今回は、性善説論者のみならず、性悪説論者も税金投入に反対すべきではないと筆者は考えています。性善説論者については、「税金を投入しても政府が番組内容に干渉する筈がないから問題ない」と言うでしょうから、話は簡単です。では、性悪説論者はどう考えるべきでしょうか。
「政府は、今でも番組制作に干渉している。したがって、税金を投入してもしなくても干渉することには違いないのだから、受信料よりは税金投入の方がマシである」と、考えるべきでしょう。それなら、税金投入に反対するべきではありませんね。もっとも、性悪説論者は、そもそもNHK廃止論に傾きがちですから、その意味では税金投入に諸手を挙げて賛成するとも思われませんが。
筆者は、政府がNHKの番組内容に干渉しているのか否か、知りませんが、本件に関しては政府性善説です。「国立大学は税金で賄われているのに、政府礼賛教育が行われているわけでもなく、政府に批判的な大学教授が迫害されているわけでもない」ので、きっとNHKも同じだろうと考えているわけです。
仮に国立大学の教授陣をそっくりNHKの経営陣に任命した状況を想像してみても、政府に都合の良い番組ばかりが作られるとは到底思われませんから(笑)。
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