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2018年7月20日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

同行スタッフは11キロのダイエットに成功

 一般的にアスリートの食事とはどんな内容が理想的なのか。管理栄養士で食生活ジャーナリストの平川あずさ氏は「アスリートはエネルギーを一般の方より多く消費するので、エネルギー不足にならないためにも、その競技の運動量に見合った食事をすることが大切です。エネルギーの元になる栄養素として、炭水化物、タンパク質、脂質の3つがありますが、どれか一つだけではなく、どれもきちんと摂取することが大事です。加えて、休養中に筋肉を大きくしたり、ダメージを修復したりするためにはタンパク質だけではなくて、エネルギーが充足した状態で、ビタミンやミネラルなどのバランスが整っていることも重要です。これらはエネルギーを燃やす時にも必要になりますし、全体で連携して燃焼と修復のサイクルを保っています」

 「つまり、アスリートが取るべき食事は、パフォーマンスに合わせた栄養素を過不足なく取るという“究極の健康食”とも言えます。ジェフの食事は、さまざまな種類の食物から、栄養素をバランスよく取り入れているように見えます。とくに、エネルギー源となる穀類や果物をしっかりととり、お肉やお魚の調理法はシンプルなものにして、身体に負担をかけないよう工夫されています。また、食物繊維の量も確保されていますね。さらに良質な油を取る意図が伝わってきます」

 今季、J1サンフレッチェ広島から期限付き移籍してきた茶島雄介選手は、ジェフから移籍の打診を受けた時点で、食事内容についてはある程度把握し、シーズン前のキャンプに参加したという。「サンフレッチェ広島では、キャンプ地の食材を使った料理などが出ていましたが、千葉の食事は肉や魚は素焼きで、味付けも薄くとてもシンプルです。ただ、移籍する前のイメージに比べ、実際に食べてみたら意外といけると感じました。広島のユース時代から食事の指導を受けていたので、アスリートが取るべき栄養に関する最低限の知識は持ち合わせていて、広島時代もそれなりにこだわってはいましたが、千葉ではそれが徹底している。監督は、試合で結果を出すためには、トレーニング以外の食事や休養に関してもプロフェッショナルでいることを要求します。そこは自分も共感しています」と語る。

茶島雄介選手

 ただ、1つだけ問題点もあるとエスナイデル監督は指摘する。「千葉の唯一の問題点は、クラブハウス以外で取る夕食について把握できないことです。理想としては、夕食もクラブハウスで用意したいのですが、選手にも家族などとのプライベートな時間があります。選手に何を食べているかを聞くこともありますが、本当のことを言っている選手が何人いるかはわかりません(笑)」。エスナイデル監督の言葉を茶島選手にぶつけると「キャンプ中に食事をスマートフォンで写真を撮り、妻へ送りました。妻も監督の求める食事を作ってくれます」という。

 冒頭で、千葉のサッカーは非常に運動量を必要とすると書いた。食事改革を始めとするエスナイデル監督の改革はパフォーマンス向上に繋がっていなければ本末転倒になってしまう。「インテンシティが高く、長い距離を走れるようになったことは数値として出ています。ただ、私の理想よりも走りすぎてはいます。体組成に関しても具体的な数値を見せることはできませんが、筋肉の量が増え、脂肪は減っています。トレーニング、食事、休養のバランスを考えることで、前年に比べ選手のパフォーマンスが向上しただけでなく、怪我も減っています」と同監督は胸を張る。

 茶島選手も「広島時代から体重が増えないことが悩みで、筋力トレーニングに励んでいましたが結果がでませんでした。千葉に移籍してから2~3kg増えたので、食事のお陰かなとも思います」。プロデビュー以来の課題であった体重増加に成功した茶島選手のような例がある一方、チームに同行し同じ食事を取っているスタッフのなかには11kgのダイエットに成功した例もあるという。

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