定年バックパッカー海外放浪記

2018年8月17日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年、横浜生まれ。神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

「警察は人手不足で大変なんですよ」

ピカデリー・サーカス近くのハー・マジェスティ・シアター。1986年以来ミュージカル『オペラ座の怪人』をロングラン。商社勤務時代の出張時に筆者も2回観覧

 6月15日(金)。指定された午後1時に間に合うように12時過ぎにルトン駅に到着。警察署の住所が分からないので駅員に聞くと警官の詰め所が駅舎の横にあるという。詰め所で事情を説明すると30歳くらいの巡査(constable)が出てきて、警察署まで少し遠いので巡回ついでにパトカーで送ってくれるという。

 道すがら巡査とおしゃべりしていたら英国の警察事情が少し理解できた。すなわち財政難から政府が警察予算まで削減した結果、十分な人員を確保できない。また警察署も統廃合したため一部地域では緊急事態に即応できない懸念もある。ダンステイブル警察署の閉鎖の背景が分かった。

 人員削減と同時に監視カメラを大々的に設置して治安維持に努めている。例えばロンドン市内を観光している旅行者は1日平均300回監視カメラで補足されているという。

1万円札はお金に見えない?

 リーザ刑事巡査は中年女性であった。警察の記録によると13万円は事件当日の発生時刻から45分後に近隣住民が拾って翌日警察に届けたという。拾った場所は犯行現場から至近距離である。すなわち犯人は犯行の足が付くことを恐れて不要なものを慌てて投げ捨てたようだ。

 6月7日には警察が回収していたが、被害者の私への連絡はそれから1週間後の6月13日である。なぜ1週間も時間を要したのか? 

 拾得物を子細に見れば日本の紙幣であることが分かるのではないか? しかし1万円札には英語表記は一つだけで“NIPPON GINKO”と記載されているのみだ。Bank of Japanではない。それゆえ警察署内で日本の紙幣と認識できなかったのであろうか。

 6月7日の拾得物とその前日に発生した日本人被害者の強盗事件(robbery case)がなぜ迅速に照合されなかったのだろうか。1万円札13枚を盗られたことは最初に申告しているにも関わらず。やはり人手不足が原因なのだろうか。

 リーザによると犯人一味は1万円札が紙幣であることが分からずに放棄したと警察は解釈しているという。頭の悪そうな犯人と4人の仲間であったのでその可能性も否定できないが、外国紙幣であると想像もできないほど馬鹿だったのだろうか。

⇒第3回に続く

  
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