2024年12月26日(木)

古希バックパッカー海外放浪記

2018年10月21日

(2017.11.4~2018.1.10) 68日間 総費用33万9000円〈航空券含む〉)

公園のバーベキューハウスの屋根の下で

 11月5日にシドニーを出発してから28日にブリスベンのゲストハウスにチェックインするまでの行程で宿泊施設に泊まったのは二日だけである。13日のフォスターのキャラバンサイト、19日のコフスハーバーのユースホステルだけである。フォスターでは大雨警報が出ていたのでテント泊を断念、コフスハーバーは久しぶりにホットシャワーを浴びたかったからである。その他の20日間はテントで野営である。

フォスターのキャラバン・サイト(有料キャンプ場)は一泊30豪ドル(≒2600円)洗濯機・乾燥機使用料8豪ドル(≒700円)と割高。夜半豪雨警報のため食堂兼共同キッチンの屋根の下にテントを設営

 キャンプサイトを選ぶ際のチェックポイントは以下の通り:

  1. 安全:治安に不安がないこと。
  2. 野営禁止地区でないこと:国立公園、景勝地、観光地などではキャンプ禁止地区が設定されている。自動車やテントでの夜間宿泊(overnight stay)そのものが禁止されている。
  3. 風雨を防げること:屋根や壁・生垣があればテントが濡れないで済む。
  4. トイレ・水道:この二つのインフラがあると安心

 上記の全ての条件を満たす場所は意外に簡単に見つけることが出来た。オーストラリアでは小さな町でもほぼ必ず市民公園がある。市民公園は治安の良い場所にあり、そして公園にはトイレと水飲み場がある。さらに公園には大概バーベキュー設備が完備されている。

 山火事(bushfire)を防ぐためにオーストラリアの大半の地域では生火(焚火)厳禁だ。バーベキュー設備はステンレスの鉄板を電気で加熱する電気コンロ(稀にはガスコンロもある)である。しかも無料で一般開放されている。テーブルとベンチがあり、熱暑や多少の風雨でもBBQを楽しめるように屋根や壁が設けられている施設が多い。

マックスビルの町から眺めるナブルッカ河の夕陽

 しかもバーベキュー設備とトイレは毎朝管理人が清掃するので清潔である。さらに海辺の公園のトイレにはシャワー(温水はなくコールドシャワーであるが)があるのでシャンプー、ボディウォッシュをして簡単な洗濯をすることもできる。

 夕刻になる前にこうした公園を見つけてから、スーパーでソーセージ、ハンバーグ、野菜などを仕入れてBBQをする。すると自然と地元の人達と交流することになる。そして地元の人達にキャンプサイトの相談をすると「ここで野営すればいいじゃないか」または「自分の家に泊まればいい」と勧められる。

 こうしてオーストラリアでの2カ月超の自転車旅では、幸いなことにキャンプサイト探しに苦労したことは数えるほどしかなかった。

ナブルッカ河畔の公園の東屋でキャンプ

雨空の下、泊まる場所が見つからない

 11月16日。相変わらずの雨模様の一日であった。レイク・キャッシーの海岸の公園のバーベキューハウスでテントを撤収してから幹線道路のルートA1、パシフィック・ハイウェイに戻り一路北上。相変わらず悲しくなるほど強い向かい風(北風)に気持ちが折れそうになる。単調な丘陵地帯が延々と続く。つまり上り下りの連続だ。しかも人がほとんど住んでいない広大な森林で覆われた丘陵地帯である。午後1時頃、道路脇に設けられた停車スペースで、小雨の中をポテトチップとチョコバーを立ち食いしてエネルギー補給。

コリンディ・ビーチ近くの臨海遊歩道

 グーグルでチェックすると次の目的地のクレセントヘッドまで70㎞もあり、途中のどこかで一泊しなければならない。ところが通過コースに町らしい町が見つからない。グーグルマップをチェックしながら走る。グーグルマップに記載されている地名を通過するたびに周囲を確認すると農家が点在しているだけだ。

 そうこうするうちに3時を過ぎて雨雲のせいで薄暗くなってきた。早めに少しでも快適な野営地を探さなければならない。4時近くなると気持ちが焦ってくる。パシフィック・ハイウェイの両側は森林やブッシュばかりなので、田舎の一般道に下りて野営地を探すことにした。

幹線道路のルートA1。オーストラリアは日本と同様に車は左側通行。左端は自転車専用道であり更に広い路側帯が設けられている区間が多い

 グーグルで現在位置を確認すると田舎道の数キロ前方にテレグラフ・ポイントという地名がある。最初に農家が一軒見えたので軒先を借りようかと近寄ったが廃屋であった。田舎道を更に進むと道路脇にバス停の待合室のような屋根で覆われたベンチがあった。テント設営が可能かチェックしたが水たまりができており断念。

 さらに進むとガソリンスタンドのサインポールが見えた。数軒の集落を形成しておりテレグラフ・ポイントらしい。


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