前向きに読み解く経済の裏側

2018年11月26日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

借金の返済は貯金より簡単である

 行動経済学的な理由としては、「貯金をするのは意志が強くないといけないが、借金の返済には意志の強さは不要だ」ということが挙げられます。借家派は、定年までに巨額の貯金をする必要がありますが、それは難しい、ということです。

 借家派は、「一生借家派」と「定年まで借家派」がいると思いますが、どちらも定年までに莫大な貯金が必要になります。一生借家に住むためには、巨額の貯金から家賃を取り崩して支払わなければなりませんし、定年時に自宅を購入するためには、それまでに貯金をしておかなければなりません。ちなみに退職金で家を買うと、老後の生活資金が足りなくなるので、それは問題外です。

 貯金が難しいのは、人間は意志が弱いからです。ダイエットや禁煙が難しいことを考えれば、貯金も難しいということがよくわかるはずです。そこで、給料から天引きで社内預金をしたり、様々な「自分で自分を我慢させる工夫」をするわけですが、なかなか容易ではありません。

 しかし、住宅ローンを借りてしまえば、あとは簡単です。「贅沢したいな。でも、住宅ローンの返済で預金残高が残っていないから、贅沢できない」で終わってしまうからです。自分で自分を我慢させる必要がないのです。

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