借金の返済は貯金より簡単である
行動経済学的な理由としては、「貯金をするのは意志が強くないといけないが、借金の返済には意志の強さは不要だ」ということが挙げられます。借家派は、定年までに巨額の貯金をする必要がありますが、それは難しい、ということです。
借家派は、「一生借家派」と「定年まで借家派」がいると思いますが、どちらも定年までに莫大な貯金が必要になります。一生借家に住むためには、巨額の貯金から家賃を取り崩して支払わなければなりませんし、定年時に自宅を購入するためには、それまでに貯金をしておかなければなりません。ちなみに退職金で家を買うと、老後の生活資金が足りなくなるので、それは問題外です。
貯金が難しいのは、人間は意志が弱いからです。ダイエットや禁煙が難しいことを考えれば、貯金も難しいということがよくわかるはずです。そこで、給料から天引きで社内預金をしたり、様々な「自分で自分を我慢させる工夫」をするわけですが、なかなか容易ではありません。
しかし、住宅ローンを借りてしまえば、あとは簡単です。「贅沢したいな。でも、住宅ローンの返済で預金残高が残っていないから、贅沢できない」で終わってしまうからです。自分で自分を我慢させる必要がないのです。