細川家第16代当主で、有数の美術コレクターでもあった細川護立(もりたつ)(1883~1970年)が、先祖代々の文化財を保管し伝承するために永青文庫を設立したのは昭和25(1950)年のこと。その総数8万点を超えるという所蔵品の中から、選りすぐりの美術品が公開される。
旧熊本藩主であった細川家の歴史は、鎌倉幕府の御家人として始まり、戦国時代には歌人でもあった細川藤孝(幽斎・ゆうさい)、その息子で茶人の忠興(ただおき)(三斎・さんさい)など、文武両道に秀でた多才な人物を輩出したことで知られる。
展示品のうち、先祖伝来の宝物には、忠興が関ヶ原の合戦で身に着けた甲冑や、細川ガラシャが夫の忠興のために仕立てたという衣服、千利休のかつての所持品で、軍功の褒美として授与された茶道具など、細川家の歩んだ歴史の一齣(ひとこま)を感じさせるものが少なくない。
一方、護立によるコレクションには、中国・唐時代の石仏像や唐三彩盤などの古美術品、パトロンとして庇護した横山大観、菱田春草(しゅんそう)、小林古径(こけい)などの日本画家の作品がそろっている。武具から絵画まで、幅広い所蔵品の一端に触れることができるのが魅力だ。
鎌倉時代・13世紀 永青文庫所蔵
特別展覧会 細川家の至宝
<開催日>2011年10月8日~11月23日
<会場>京都市東山区・京都国立博物館(東海道新幹線京都駅からバス)
<問>075(525)2473
http://hosokawa2011.exh.jp/
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