ネット炎上のかけらを拾いに

2019年1月9日

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庶民の遊び場から、夢を与えられる場へ

 当選者が発表されてすぐ、BuzzFeedは当選者への取材記事を掲載(ZOZO前澤社長からの100万円の使い道。ある当選者の思い/1月8日)。この当選者の男性は車椅子利用者で、100万円の使い道について「100万円分の服を購入して、僕を含めオシャレがしたい障害のある方々100人に服をプレゼントして、一緒に堂々と100人で表参道を歩きたいです」と動画で語っていたという。

 このほかに当選したことをツイッターで公表している人たちも、「100万円の使い道を具体的にツイートしていた」などの共通点が見られる。前澤社長は当選者の選定方法を明らかにしていなかったため、抽選と思い込んでいた人は失望を感じたようだ。

 ツイッター社は規約違反ではないと見解を出しているし、ただ金を配るのではなく「夢を応援したい」意図があることも垣間見える。ツッコミどころがないこの企画にそれでもモヤモヤするのは、有名ではなくお金持ちでもない人でも面白いツイートをすることでフォロワー数を伸ばせるジャイアントキリングな一面があったツイッター上で、金の力をあからさまに使ったことだろう。

 日本人のツイッターフォロワー数1位(有吉弘行/約703万)、2位(松本人志/約605万)に次ぐのは、福沢諭吉。諭吉に人気があるのは誰でも知っていることで、特に驚きはない。庶民の遊び場に自分のルールを持ち込んだ貴族が100万円で庶民に「夢」を与えている。庶民は夢をもらったのか。遊び場を奪われたのか。

 前澤社長と言えば、2012年10月。送料手数料についての不満をつぶやいた女子高生に対して「詐欺??ただで商品が届くと思うんじゃねぇよ。お前ん家まで汗水たらしてヤマトの宅配会社の人がわざわざ運んでくれてんだよ。お前みたいな感謝のない奴は二度と注文してなくていいわ」とブチギレた。これに批判が殺到し、一転して謝罪。さらに送料を無料にすると発表した(現在は改定)。

 当時と比べると、ツイッターの使い方がこなれてきたのかもしれない。

  
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