2022年12月6日(火)

Wedge REPORT

2019年1月21日

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松崎一葉 (まつざき・いちよう)

筑波大学医学医療系産業精神医学・宇宙医学グループ教授

筑波大学大学院博士課程修了。医学博士。産業精神医学・宇宙航空精神医学が専門。官公庁、上場企業から中小企業まで、数多くの組織で精神科産業医として活躍する。著書に『クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち』(PHP新書)など多数。

 最後は多様性だ。「デキる人材」「意思疎通できる人材」ばかりの安定した組織ではイノベーションは起きない。昨今問題になっている職場のメンタル問題には、「大人の発達障害」がある。空気が読めず、コミュニケーションが不得意で、好きなことを繰り返す彼らは、従来の社員一丸で前例を踏襲する古い企業風土には最も適応しない。

 しかし、グローバルに目を転ずれば、ビル・ゲイツもスティーブ・ジョブズも発達障害的であると言われている。旧来の価値観にとらわれないユニークな人材がイノベーションを生み出していくのだ。そういう人材をチームのなかに上手く取り込んで行くことから新たな価値観が生まれてくる。「優秀だった自分」のコピーを作り出すだけの上司は、イノベーションを潰していくことに気づかなければならない。

 過去のビジネスモデルに固執せず、新たなビジネスを生み出すための方向性を打ち出し、それに向けた抜本的な人事改革が求められている。クラッシャー上司でも昇進する(人事が黙認する)のは、これからの時代は通用しない。部下のユニークで荒削りな個性を尊重して、従来のシステムに取り込んで実務レベルで活用していくという「したたかな」人材育成の視点が重要なのだろう。

現在発売中のWedge2月号では、以下の特集を組んでいます。全国の書店や駅売店、アマゾンなどでお買い求めいただけます。
■クラッシャー上司が企業を蝕む
PART 1     上司と部下の間にある断絶の正体 パワハラ一掃で会社は変わる
PART 2         企業の体たらくが生んだ「パワハラ法」 小手先の対応で終わらせるな
PART 3         成果上がらぬメンタルヘルス対策 安易な「ストレス低減」から脱却を
COLUMN       企業ニーズに応えきれない産業医 法改正で問われる「質」の向上
INTERVIEW  中途半端な復職は症状を悪化させる 目指すべきゴールは「再休職防止」

  
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◆Wedge2019年2月号より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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