対中強硬姿勢の継続
第4の狙いは、貿易赤字を抱える中国に対して強硬姿勢継続の意思表示をすることです。
トランプ大統領は1月31日に行われた米ニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューの中で、「たとえ中国と通商協議で合意しても中国製品に対する関税は継続する。関税なしには中国とは交渉ができない」と答えました。関税が中国との交渉におけるレバリッジ(てこの力)になっていることを明かしたわけです。
そのうえで、「米国はこれまで中国と通商で取引をしたことがない」と強調し、自分が米中貿易摩擦の解決に取り組んだ初の米大統領だという認識を示しました。
米FOXニュースの保守派の論客ショーン・ハニティー氏は、2018年のトランプ大統領の実績について、「中国との貿易問題に立ち向かった初めての米大統領」と高く評価しました。従って、一般教書演説では、中国との通商問題における合意の可能性に言及しながら、同時に保守派の論客から支持を得るために、中国に対して強硬姿勢を示す必要があるのです。