2024年12月23日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2019年2月21日

 2月1日、ポンペオ米国務長官は、INF条約の破棄に関して、記者ブリーフを行なった。その要点を、以下に紹介する。

(koya79/MicrovOne/coffeekai/iStock)

・トランプ政権の外交政策の核心は、とても分かり易い。米国民の安全保障が第一に考慮されるべきもので、米国が締結する条約は米国の利益に資するものでなければならず、約束を破った諸国は責任を負うというものだ。

・何年も、ロシアは、容赦なくINF条約に違反してきた。ロシアは、今日までずっと、500~5500キロの射程を有す地上発射型中距離巡航ミサイル・システムを製造、保有又は飛行実験しないという条約義務に違反してきた。ほぼ6年間にもわたるロシアの違反にもかかわらず、米国は長年この条約を維持し、米国民、同盟諸国、友好諸国の安全保障を守ってきた。我々は、このことを30回以上も、首脳陣も含めたロシア政府に指摘してきたが、ロシアはただ否定するだけだった。

・ロシアの違反は、何百万人もの欧州の人々及び米国民をより大きなリスクにさらす。それは、米国を軍事的に劣勢におく結果を生み、二国間関係の改善を損なう。適切に対応することは我々の義務である。実際、昨年12月、米国は、NATOの全同盟諸国の支持を得て、正式にロシアの条約違反を表明した。その時私は、ロシアが60日以内に完全かつ検証可能な形で条約遵守に復帰しなければ、米国はINF条約の義務の履行を中断する旨述べた。我々は、ロシアが行動を改め条約を遵守するために十分な機会を与えた。明日、その期限が来る。ロシアは、この60日の間、条約を遵守する行動を取ることを拒否した。

・したがって、米国は、2月2日をもってINF条約の義務の履行を中断する。我々は、ロシア及び条約締約国に対して、米国が、条約第15条に従って6か月後をもってINF条約より離脱することを、正式に通告する。
 
参考:Michael R. Pompeo ‘Remarks to the Press’, Department of State, February 1, 2019)


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