2023年1月31日(火)

前向きに読み解く経済の裏側

2019年3月4日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

払った金のことは忘れよう

 株式投資の話を離れて、本件は広く「払った金のことは忘れよう」というメッセージともなります。A社の株を買った時に払った1000円は、どうせ戻らないのだから、1000円のことは忘れて、「今から最も幸せになるためにはA社の株を持ち続けるべきか否か」だけを考えよう、というわけですね。

 高い金を払って買った本が、読み始めたら期待はずれだった場合、「高い金を払ったのに読まなければもったいない」と考えて読み進める人が多いのですが、それはやめましょう。

 読み進めたからと言って、払った金が戻ってくるわけではありません。読み進めると、払った金と読んだ時間の両方を損することになります。

 払った金のことは忘れて、「つまらない本を読むのと散歩に行くのとどちらが楽しいか」だけを比べましょう。死んだ子の歳を数えるのではなく、未来志向で幸せを求めるのです。

 会社の仕事でも同じです。工場が半分完成した時点で、ライバル企業が画期的な製品を発表したとします。工場が完成しても、使わないかもしれません。そんな時、「せっかく半分も工事が終わっているのだから、完成させよう」という人がいますが、それは間違いです。完成させると、工事代金の半分ではなく全額を損することになるのですから。

 もっとも、社内政治には気をつける必要があります。社内の実力者が旗を振ったプロジェクトについて「途中でやめましょう」と発言すると、「実力者が愚かな決断をしたので、改めましょう」と聞こえかねないからです。正しいことよりも、社内政治の方がサラリーマンにとっては重要かもしれませんから(笑)。

  
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