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2019年4月8日

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樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

謎の組織「自由朝鮮」

 スペイン当局は、犯行グループについて「自由朝鮮」という団体と特定、「自由朝鮮」は3月6日に声明を発表、関与を認めた。「われわれは侵入したのではない。招かれて大使館に入り緊急事態に対応しただけだ」と声明は述べ、館員に暴力ふるったことなどを全面否定、スペイン当局の捜査と真っ向から対立する主張を展開した。

 メンバーの身元がメディアで報じられたことで、北朝鮮による拷問や投獄、殺害の危険にさらされる可能性が生じたとして強い懸念を表明。「他の人たちを救おうと危険を冒している我々の身元を明らかにすることは、平壌を資するだけ」として、リークしたとみられるスペイン、米当局などを強く非難した。

 「自由朝鮮」は、脱北者の支援と金正恩体勢の打倒を目的として創設された組織で、本拠地、メンバーなど実態はベールに包まれている。17年2月、金正恩の異母兄、金正男氏が暗殺された際、氏の長男を保護しているとして、映像を公開してから注目を浴びはじめた。2019年3月1日に、それまでの「千里馬民防衛」から名称を変え、この時、あわせて「臨時政府」の樹立を宣言した。「北朝鮮人民を代表する唯一正統な組織」というのが臨時政府樹立の主張だ。

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