シリア人がカギ握る?
スリランカ政府は23日、事件に関与したとして拘束した容疑者が40人になったと発表、うち1人はシリア人だと伝えられている。政府は国際的な過激派がテロを支援したとしているが、犯行声明が出されておらず、その真偽は確認されていない。
アナリストは犯行が自爆という手口を使っていること、キリスト教徒や外国人を狙っていること、実績とノウハウがなければ、大規模かつ連続テロという犯行は難しいことなどから、ISが関与している可能性が濃厚であるとし、「NTJはISのダミーではないか」と指摘している。
また、キリスト教の教会を標的にしたのは、ISの影響を受けた上での判断だったこともあり得よう。NTJが対立してきたのは仏教徒であり、普通に考えれば、標的は仏教寺院などになるはずだが、教会が選ばれたのはそうした事情を反映するものかもしれない。
しかも、シリア人が拘束された中に入っているとすれば、この人物がシリアでの戦闘を戦った実践経験や過激思想を伝授したこともあり得よう。シリアでISが最盛期だった当時、世界80カ国から若者らがシリアに向かったが、スリランカからも30人以上がISに合流したと伝えられており、こうした元戦闘員が舞い戻っている可能性もある。
ISの関与が明らかになってくれば、世界は新たな脅威に直面していることをあらためて確認させられることになる。シリアやイラクでISが消滅したとしても、過激なIS思想は死なずに世界に伝播していることを事件が如実に示すことになるからだ。一日も早い全容の解明を期待したい。
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