Wedge REPORT

2019年6月14日

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パレットの入庫シーン

 「今年の10連休、文字通り社員総出の対応になりました。運転免許を持っている男性社員は、2トントラックのレンタカーを運転して、パレットの回収に回ったんです。連休明けも、就業時間が終わると、多くの社員が、パレットを雑巾がけするために、現場に向かいました。普通は洗浄機械にかけるのですが、そうすると乾燥に時間がかかるので、手拭きで対応までして……」

パレット高圧洗浄(汚れひどいものに限り)

 日本パレットレンタル(東京都千代田区)の広報グループ長の伊藤美菜子さんは、身震いしながら、世間が十連休で浮かれる中、同社がどれだけ逼迫したのか教えてくれた。

 パレットは、段ボール詰めにされた飲料や食料品を、大量に効率よく配送するため使用される。普通であれば、「生産工場 ⇒ 卸センター ⇒ 小売り配送センター」へと移動すると、パレットのレンタル会社が回収して、メンテナンス後にまた生産工場に貸し出すというフローだが、今回、十連休ということもあって、ユーザー側が在庫の積み増し、ドライバー不足から前倒しで納品を行った。パレットごと商品は在庫されるが、在庫の前倒し納品と積み増しで前例がないほどパレットの利用枚数が増えた。

 そこで、冒頭の話にあるような“大わらわ”になってしまったというわけだ。

 日本パレットレンタルのパレットは、国内の加工食品会社330社以上で使用されている。それぞれの商品によって需要に季節波動があるため、自前でパレットを持つよりもレンタルにしたほうが効率的だ。

 実は、パレットはこの回収が大変なのだ。日本パレットレンタルでは、全国1700カ所に回収協力拠点を設けている。回収率は99%だが、1%でも数にすると10万枚にもなる。ちなみに、自前でパレットを持ち、管理すると、年間3~5割が紛失することもあるという。

タグ読取りシーン

 たいていの場合、悪気なく勝手に持っていかれることが少なくない。ある日、伊藤さんが業界新聞を読んでいると、「これで作業効率が格段に向上」というタイトルの写真入り記事で、とある工場の取り組みが紹介されていた。なんと、その写真に写っている作業台は、まさに日本パレットレンタルのパレットを使用して作られた作業台だった……ということもあったそうだ。

 他にも駐車場の壁代わりに、畑で土よせに、遊具として使われていることまであったという。パレットがいつどこから、何枚どこに貸し出されたかを管理するため、RFIDが装着されているが、自ら位置情報を発するわけではないので、行方不明のパレットを探すのには役に立たない。

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